C型肝炎は感染から20~30年かけて肝硬変や肝がんなどを発症するとされている。

「長い年月をかけて徐々に肝臓が蝕まれ、じわじわ弱っていくのです。弱った臓器では治療期間も長くなりますし、ほかの病気へ進行すれば治療費の負担が格段に上がり、命にもかかわります。逆に言えば、早期に感染がわかることで適切な治療を受けて、深刻な病状に進行するのを防ぐことができます。だからこそ、まずは自分の体を知ることが大切なのです。ご自身が肝炎ウイルスに感染していないか、検査を受けていただきたい。検査は1度で済みますし、採血をするだけ。原則、無料です」

 住んでいる市町村や保健所に問い合わせるか、かかりつけ医に検査を相談してほしいと語る。

「ウイルスに感染していたらどうしよう、感染していてつらい治療をするのは怖いから検査を受けたくない─—そんな心配の声を聞きますし、その気持ちもわかります。ですが、私が治療していた当時よりもC型肝炎の治療法は進歩し、現在はウイルスを排除するためののみ薬による治療が主流になりました。副作用も少ないのみ薬です。

 あのつらい注射がないなんて私の経験と比べたら“天国”のよう。治療は国からの医療費助成も受けられます。どうか怖がらずに検査を受けていただきたいです。胃がんの原因となるピロリ菌の検査が広まっているように、同じ感覚で肝炎ウイルスも気軽に検査してほしいなと思います」

 伍代はプロジェクトの活動に留まらず、日頃から周囲に検査を呼びかけている。

「会う人、みんなに聞いています。同窓会でも友達に『まさかと思うけど、検査に行ってないわけないよね?』って。で、まだ行ってないと言われて『ダメよ、行かなくちゃ』なんてね。肝炎の知識を持つことで、日常の中でそんな声かけの輪も広がっていったらいいなと願っています」

 まずは肝炎について正しい情報を知り、検査も考えてほしい。それが自分の、そして家族のためにもなるのだから。

※女性セブン2021年8月12日号

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