和歌山では、元プロレスラーで「知って、肝炎プロジェクト」のスペシャルサポーターを務める小橋建太さん(右)とトークショーも開催した

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 ウイルスとの共存は常に体の中に「爆弾を抱えているような感覚」だったと振り返る。

 治療の頃合いを見計らいながら経過観察を続けて十数年。出口の見えない日々に不安も募ったが、主治医の「あと10年もすれば、いいのみ薬が認可されるはずだから」という言葉に希望をつないでいたと、振り返る。

「2009年になると、新しいインターフェロンの注射とウイルスの増殖を抑えるのみ薬の併用で、難治性の型でも治癒率が格段に上がるようになったんです。そこで48週の計画で治療に踏み切りました」

 結果的には、48週の予定が72週の治療期間に。発熱や倦怠感、貧血症状など、さまざまな副作用にも悩まされた。

「半年以上長引くと、うつになりやすいとは聞いていたんです。自分はメンタルは強いと思っていたので、全然平気と思っていました。とはいえ、1年半も続くとさすがにね。夜8時には体力が尽きて床に倒れていましたし、お友達との約束でも、いま出ないと間に合わない時刻になっても億劫で動きたくない。お化粧や身支度もしたくないし、今日はやめようよと電話もしたくない。何もかもが面倒くさいんです。終盤にはそんな時期もありましたね」

 そんなつらい治療期間を支えたのが、夫の杉良太郎(76才)だった。

「たまたま結婚記念日と重なった72回目の注射を受けて、治療が完了したときは、うれしさのあまり杉さんと2人で『やったぁー!』と家中を駆け回って、杉さんは万歳三唱をしていました。治療後の検査でもウイルスが検出されずに完治できたときには、天にも昇るような心地でした。快気祝いにあけたシャンパンのおいしかったことといったらもう(笑い)。

 治療でしんどい時期もありましたが、杉さんが『薬でウイルスを叩いちゃおう!』と率先して治療法を探して、励まし続けてくれたんです。その支えがあったから頑張れた。“一緒に治そうよ”と家族が一致団結して病気に立ち向かうことがどれほど心強いか、身に染みましたね」

採血するだけ。原則、無料です

 C型肝炎を克服した自身の経験を踏まえ、肝炎について正しい知識を持つこと、早期に発見することの重要性を強調する。

「肝炎ウイルスに感染しているとわかった頃の私はひどい疲労感やだるさに見舞われて、朝起きるのがつらい状態でした。でも、きっと自分の怠け心からだと反省したりしていて(苦笑)。まさか肝機能障害が出てだるいなんてわからなくて、無理を重ねてしまっていた。タフだという自負が、知らないうちに体を痛めつけていたんですね。

 肝臓は沈黙の臓器といわれ、いつのまにか症状が進行しています。C型肝炎は普段は無症状のため感染の自覚がないまま進行し、症状が出る頃には慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症している可能性があるのです」

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