肩こりにも効くポーズ
足や股関節に痛みがある場合は、お尻の下にクッションなどを敷いて、ひざを曲げすぎないようにするといい。床につけたひたいに痛みや違和感があるときは、顔を横に向けたり、両手を重ねて、その上にひたいをのせたりしてもいい。何よりも、全身をリラックスさせることを最優先するのがコツだ。
「お尻を上げた土下座」で頭痛や肩こりが消える
ヨガでは、チャイルドポーズのほかにも、“土下座の亜種”がある。土下座の状態から、頭のてっぺんを床につけてお尻を天井の方に持ち上げ、手を後ろで組んでひじを伸ばすのが「うさぎのポーズ」。リラックス効果のほか、眼精疲労や肩こりの解消も期待できる。
「頭頂部にある『百会』というツボが床で刺激されることで、頭痛が軽減します。また、手を後ろで組むことで、肩関節の筋肉がほぐれます。腕を伸ばした状態のまま、5~10回ほど鼻で呼吸すると効果が高まります。ただし、頭に血がのぼりやすいポーズなので、高血圧や貧血がある場合は、3~5回ほどにとどめた方がいいでしょう」
背中を伸ばせばデトックスにも
四十肩や五十肩、むくみの解消には「猫のねじりのポーズ」がいい。床に両手をついたスタンダードな「土下座」の状態から、手のひらを上に向けて右腕を前に伸ばし、その右肩を枕にして頭をのせる。
「右腕を伸ばしているなら、目線は左側に向けてください。わきの下も伸びるので、リンパの流れがよくなり、むくみの改善やデトックスにもつながります。右側を行ったら、左側も同様に。片方につき3~5回ほど、鼻で深呼吸します」
「なんとなくやる気が出ない、疲れが取れない」というときは、「猫の伸びのポーズ」がおすすめだ。四つんばいになり、ひたいが床につくまで両手を前にすべらせていき、腰を反らす。
「上半身を思い切り伸ばすポーズなので、自然と深い呼吸になります。猫のねじりのポーズと同様、3~5回ほど、鼻で呼吸してください。ただし、腰に負担がかかる恐れがあるので、もともと腰痛のある人はやりすぎないように注意して」
うさぎのポーズ、猫のねじりのポーズ、猫の伸びのポーズを行った後は、チャイルドポーズでさらに全身をリラックスさせることも忘れずに。
「日頃から口呼吸のくせがついていると、息を鼻から吸って鼻から吐くのが難しい場合もあるので、慣れないうちは“鼻から吸って、口から吐く”ようにしてもいいでしょう」
疲れや不調を感じたら、「土下座」で元気を取り戻せる。誰もいないときに、こっそりやってみたい。
イラスト/勝山英幸 写真/Getty Images
※女性セブン2021年8月12日号
デトックスにも