筆者はメッセージのやり取りまで至らなかったが、五輪選手とマッチングし、メッセージのやり取りをした女性は、そこでどんな会話を繰り広げたのだろうか?

「ある種目のフランス代表を名乗る男性とやり取りしました。『選手村から出られるの?』と何気なく聞いたら、『選手村は閉鎖されているけど、試合さえ終われば出られるし、自分は日程的に早めに終わるよ』という答えが返ってきて、『一般人とは隔離されているんじゃなかったの?』と少し怖く感じました。調子のいいリップサービスだったのかもしれませんが……。ちなみに選手村は『無料で素敵なものがたくさん与えられて、とても楽しい』だそうです」(同前)

 マッチングアプリで出会えるのは選手だけではない。別の30代女性はこう言う。

「東京五輪にも関わるというプロのキャディーとマッチングしました。『街を出歩くことは許されないと思う』と言っていたので、『せっかく日本に来たのに観光が楽しめないなんて残念ね』と軽い気持ちで返したら、『日本の人々に迷惑をかけたくない。君はコロナに対してどんな考えを持っているの?』と真剣なトーンで諭されました。日本には脳天気な女がいたものだ、と呆れられたかもしれません」

 東京五輪では(開催地を大きな泡で包むようにし、選手や関係者を外部の人たちと接触させない)バブル方式が採用されているとはいえ、すでに「バブル崩壊」との指摘もある。選手や関係者がルールを破って日本での“出会い”に走らないことを祈りたい。

●取材・文/原田イチボ(HEW)

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