国内

小池都知事が配る30年前の「新党パンフ」国政復帰視野の見方も

小池百合子氏の原点となった冊子には何が書かれている?(写真/共同通信社)

小池百合子氏の原点となった冊子には何が書かれている?(写真/共同通信社)

 9月末の自民党総裁選挙や衆議院選挙に向けて去就が注目されているのが小池百合子・東京都知事だ。自民党内からは二階俊博・幹事長の国政復帰ラブコールに続いて、石破茂氏も衛星放送のTBSニュース(7月22日)で「国政への復帰に違和感はない。方向性が一致すれば一緒にやらないほうがおかしい」と語るなど、ポスト菅のダークホースとも見られている。

 そんな彼女が一部に「新党パンフ」を配っていることが国政復帰の憶測に拍車を掛けている。

 パンフの表題は〈東京政策とその方向 国際文化都市TOKYOをめざして〉。新党パンフといっても、30年前、小池氏が日本新党から国政デビューした頃に同党の都議選資料として作成された政策集だ。内容は〈働く女性のための条件整備の推進〉〈災害に強いまち〉などの東京の課題や提案から、地方主権に向けた国の制度改革の必要性まで31ページにわたっている。

「小池さんは読み返して感じるところがあったようで、7月の都議選前後から親しい都議、国会議員など政界関係者に『現在も通用する政策よね』とコピーを配っています」(都庁関係者)

 気になるのは、なぜ、このタイミングで古い政策集を持ち出したのか、その意図だ。

 小池事務所に聞くと、「都政関係者に、30年前と現在との東京の政策の変わらぬ方向性や進化などについて、意見交換の際に使用した」と回答したが、小池氏の周辺からは、「菅自民党の混乱ぶりを見て、次の総選挙で再び小池国政新党を旗揚げして勝負するつもりだ」、あるいは、「総選挙で国政復帰し、自民党総裁選に出馬するつもりで政権公約を練っているのではないか」といった見方があがっている。

 当の小池氏は国政復帰について「頭の片隅にもない」と否定しているものの、パラリンピックが閉会すれば小池氏は“フリーハンド”を得るとされる。

 もしも菅首相が総裁選前に解散・総選挙に踏みきり、選挙後に総裁選になった場合、小池氏が次の総選挙で国政転出すれば総理の座のチャンスがないとは言えない。

 東京五輪・パラリンピックの聖火が消えた後、彼女の「女性初の総理大臣」への野心に火がつくかもしれない。

※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト