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コロナに対する考え方が変化 旅行熱の高まり、飲食店開ける経営者も増加

ワクチンの接種が始まってから、コロナに対する社会の考え方が変化(イメージ)五輪期間中の浅草(写真/共同通信社)

コロナに対する考え方が変化(写真は五輪期間中の浅草。共同通信社)

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進めば、日常を取り戻すことにつながるのだろうか──。首相官邸公表の接種実績によると、65歳以上の高齢者でワクチンを1回接種した人は87.3%、2回接種した人は80.0%に達し、国民全体の32.7%が2回接種を終えている(8月5日時点)。欧米が軒並み5割ほどに到達していることを考えると遅れている印象は否めないが、目標に近づいてはいる。

 一方で、ワクチン接種が進んでいる欧米諸国でも、接種完了後に感染する「ブレイクスルー感染」が発生している。デルタ株がまん延するようになってから、「集団免疫を得るには9割が接種完了しなければならない」とも言われるようになった。このままではコロナが広がる以前のような日常に戻るのは当面難しいといえる。

 そうした中、ワクチンの接種が始まってから、コロナに対する社会の考え方が変化し始めている。

 顕著な例が旅行熱の高まりだ。全日空のお盆期間の国内線予約は前年比4割増となり、日本航空でも緊急事態宣言の延長が決まった7月30日から国内線の予約人数が約1万人増加した。

 コロナを気にしない若い世代だけでなく、50~60代の予約も増えており、ワクチン接種完了の影響がうかがえる。

 また旅行会社・日本旅行の8月の予約人数は「Go Toトラベル」の期間中だった前年同月の9割まで回復し、JR東日本のお盆期間の新幹線予約も前年比63%増となった。ワクチン接種を終え8月に夫婦で久々の温泉旅行を楽しんだという70代男性が語る。

「いつまで夫婦で元気に旅行できるかわからないと考えると、ワクチン接種を機に行ってみることにしました。もちろん世間の自粛ムードにはなるべく合わせるつもりだし、マスク着用などの感染対策はするつもりだけど、いつまでもこのままでいいわけがない。周りの友達もそんな考えに変わってきていて、9月にはみんなで近所の居酒屋に集まって飲もうと話をしています」

 苦境が続く飲食店でも、「緊急事態宣言下でもコロナを気にせず8時以降も営業している店が増えた」(都内飲食店店主)「お客さんから『8時以降もやっていますか?』という問い合わせが最近多くなってきた」(神戸市内飲食店店主)という状況だ。

 実際、以前より出歩く人の数が増えたと感じる人が多いはずだ。経済ジャーナリストの岩崎博充氏が語る。

「昨年は休業する店がほとんどで人の外出もほぼ皆無でしたが、緊急事態宣言やまん防に従わないお店に訪れる人たちの増加によって、売り上げが増えている店も出始めています。政府が自粛要請を続けても、今後は店を開けるという経営者も増えてくるでしょう。忘年会需要には期待しているはずです」

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