スズメバチは専門家へ 巣から離れて刺激しない
では、実際に巣を見つけたらどう対処すべきか。
「アシナガバチの場合は、刺されないように注意しながら専用の殺虫スプレーで撃退することも可能です、スズメバチの場合は、迷わず役所に連絡するか、害虫駆除の専門家を呼んでください。蜂の姿は見かけるが巣の場所がわからないというときには、駆除エサや蜂の捕獲器などを設置しておくのも有効です」(佐々木さん)
蜂は本来、巣を攻撃しない限り襲ってこないという。刺すのは防衛のためで、襲うまでにも、警戒音を出したり威嚇行動をとりながら、何度か「刺しますよ」と忠告をしてくるという。
「ただし、スズメバチは短気。威嚇してから刺すまでの判断が早いので要注意です」(佐々木さん)
臆病なのか大胆なのか……。触らぬ蜂に祟りなし。見かけたら、まずは静かに巣から離れることを優先しよう。
スズメバチに対抗する方法
「蜂は“黒”を見ると攻撃してきます。これは、熊など天敵となる動物の急所(鼻など)が黒だからとされています。黒髪や黒服は狙われやすいので、帽子をかぶり白い服を着ましょう」(佐々木さん)
万が一刺されたら、傷にはできるだけ触らず清潔にし、氷をあてて冷やすこと。動悸、めまいなどの症状が出たらすぐ病院へ。
そっくりだけど毒性は大違い!アシナガバチとの見分け方
どちらも人を刺す蜂ではあるが、毒の量や攻撃性が異なる。見分け方は、スズメバチはオレンジ色で寸胴。体長40mmほどで素早く真っすぐに飛ぶ。一方のアシナガバチは黄色っぽく、くびれがあって細身。体長26mmほどで足を垂らしてフラフラと飛ぶ。巣を攻撃しなければおとなしい性格なので、見かけても慌てず落ち着いて行動しよう。
●スズメバチ
攻撃性:人を襲うまでに段階はあるが、攻撃スイッチが入るまでの時間は短い。
飛び方:羽音が大きく直線的。スピードも速い。
巣の形:巣の出入り口は1つで表面がマーブル状。最大で直径80cmにもなる。
●アシナガバチ
攻撃性:巣を揺らすなどの攻撃をしなければ、近寄って巣に触れることもできる。
飛び方:足を長く伸ばして飛ぶ。スピードはそれほど速くない。
巣の形:複数の出入り口があるシャワーヘッドのような楕円形で直径15cmほど。
取材・文/番匠郁 イラスト/藤井昌子
※女性セブン2021年9月9日号