四国には地元の歴史や自然、伝統工芸、文化で紡ぐ“ものがたり”をコンセプトにした3つの観光列車がある。幕末の志士たちの軌跡が残る高知県の沿線を駆け抜ける『志国土佐 時代の夜明けのものがたり』、徳島県の秘境と香川県を結ぶ『四国まんなか千年ものがたり』、愛媛県の海沿いを走る『伊予灘ものがたり』だ。すべてに乗れば、四国4県を巡ることができる。四国出身の園都さんが2日にわたり、このうち2つの観光列車を体験した。
1日目は、昨年7月に運行を開始した『志国土佐 時代の夜明けのものがたり』に乗車。土佐出身の坂本龍馬が脱藩の道へと急いだ道程をなぞる列車であり、幕末の志士たちが夢見た「日本の夜明け」をコンセプトにしたデザインの車両が高揚感を沸き立たせる。高知発の下り便『立志の抄』で高知駅から西の窪川駅へ向かう約2時間半の間には、高知城、坂本龍馬が泳いだと言われる鏡川、「仁淀ブルー」で知られる仁淀川、雄大な太平洋(土佐湾)など見所が多くあり、目を楽しませる。
途中、走行する列車に向かって沿線の住民たちが手を振り、駅に停車するたび駅員や地元の人々が出迎えることに園さんが感激する。
「2階ベランダからも! こんなに大勢の方に手を振って歓迎されるなんて初体験。50メートル先と遠くから大きく手を振ってくださる姿にキュンとしちゃいますね」
「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」
・運転日 土・日・祝日等
【下り便・立志の抄】高知駅12:04→窪川駅14:40
【上り便・開花の抄】窪川駅15:13→高知駅17:54
・乗車券・特急券・指定席グリーン券 高知─窪川3970円、高知─土佐久札3610円
・食事予約券5000円(食事を希望の場合、乗車の4日前までに要購入) ※メニューは便・季節によって異なる
【12:04 高知発】
『志国土佐 時代の夜明けのものがたり』始発駅はJR高知駅。「生まれ故郷の四国を観光列車で旅をするのは初めて。ワクワクします!」(園さん)