銭湯の強みは、そこが現場になった途端、「人情」「ほんわか」「コメディ」な雰囲気が漂うということだ。70年代くらいまでは当たり前のように脱衣所に裸のエキストラさんもいて、そこに「お色気」もセットされていた。唐破風屋根や富士山の絵のレトロムードに視聴者がほっとし、昔ながらの濃いめの人間関係も似合う場所。いろんな客がいろんな事情を持ち込むので飽きないし、銭湯の経営や後継者問題でホロリとする場面もできる。
『仮面ライダーリバイス』の一輝は、サッカーが大好きでモップでごしごしと風呂場を掃除しながら、黄色い桶を軽く蹴とばして定位置にスポっとおさめる特技まである。戸次パパは、銭湯よりも動画投稿で一発当てようとしている様子で頼りにならないし、一輝が、これから仮面ライダー活動と銭湯のお兄さん活動をどう両立させるか。世界平和も大事だが、いい湯も大事。合言葉は「湧いてきたぜ!変身」。常連客になった気分で見守らせてもらいしょう。