4~6月の間、1日平均700人が死亡したコロンビア。その3分の2がミュー株に感染していた(写真/アフロ)
8月末、東京医科歯科大学の研究グループが国内で新たなデルタ変異株の市中感染事例を公表したのも気になるところだ。一石さんも「日本変異型」の登場に注意を促す。
「東京五輪などの海外渡航者の流入増加や水際対策の漏れにより、新たな日本株が発生するかもしれません。今後、デルタ株以上に凶暴な日本発のウイルスが誕生する可能性があります」(一石さん)
新たな変異株の国内流入というパターンもあり得る。
「医療体制が脆弱でミュー株やラムダ株が感染を広げる南米などは変異株のるつぼで、さらなる強力なウイルスが登場する可能性があります。日本が国内の第5波を抑え込んでも、その間隙を縫って南米から新たな変異株が到来して、猛威を振るう恐れがあるのです」(二木さん)
すでに南アフリカなどではデルタ株より強い感染力と、高い免疫回避能力を持つ可能性がある変異株「C.1.2」が見つかったと報じられた。気が遠くなるような変異の連鎖にどう対処するのか。第5波が落ち着いたいま、国の叡智を結集する必要がある。
※女性セブン2021年9月23日号