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HIKAKINが牽引、巨大化する「YouTuber市場」 背景に2つの変化

YouTuberの代名詞的存在(時事通信フォト)

YouTuberの代名詞的存在(時事通信フォト)

 YouTuberのHIKAKIN(32)が、メインチャンネル「Hikakin TV」を開設してから今年で10周年を迎えた。9月10日には登録者数1000万人を突破し、最古参YouTuberの1人でありながらその勢いはとどまるところを知らない。この10年でYouTuberを取り巻く環境は様変わりしたが、そうした変化も彼の活躍ぶりと関わっているようだ。

「Hikakin TV」がスタートしたのは2011年。まだUUUM株式会社をはじめとしたYouTuberのマネジメント会社が日本で誕生する前の時代だ。HIKAKINをはじめ、当時すでに動画クリエイターとしてYouTubeで活動する人物はいたものの、現在のようにはマネタイズの仕組みは確立していなかった。世間ではYouTuberという言葉も、それがビジネスになることも、ほとんど知られていなかったと言っていい。

 転機となったのは2014年。「好きなことで、生きていく」というキャッチフレーズを掲げたYouTubeのCMが出たことだろう。テレビや街頭広告などで流れると、一気に世間の認知度を上げることに貢献した。もちろん、その前年の2013年にHIKAKINもファウンダーとして参画するUUUM株式会社が設立され、YouTuberをバックアップしていったことも大きい。

 その後は右肩上がりで市場規模が拡大していった。調査会社のCA Young Labとデジタルインファクトによれば、2015年に33億円だった国内YouTuberの市場規模(YouTube広告、タイアップ広告、グッズ・イベント販売等の収入)は、2017年には推計219億円へと大きく成長。その後も右肩上がりが続き、2021年には531億円に達すると予測されていた(2017年調査)。

 人気が上昇し続けるHIKAKINの活躍と、ビジネスとして巨大化する国内YouTuber市場。その背景には2010年代を通じた情報環境を取り巻く“2つの変化”がある──そう指摘するのは、近く新刊『ビジネスはスマホの中にある ショートムービー時代のSNSマーケティング』(世界文化社)を上梓する予定の天野彬氏(電通メディアイノベーションラボ主任研究員)だ。

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