と、そこへ山内惠介のカバーアルバム『Roots(ルーツ)』。氷川きよしのカバーシリーズは割と有名な曲のものが多いが、山内惠介のは渋すぎる選曲。『港の五番町』(1972年、原みつるとシャネル・ファイブ)、『逢いたかったぜ』(岡晴夫)、『女の港』(大月みやこ)『女のためいき』(森進一)『僕が僕であるために』(尾崎豊)『みだれ髪』(美空ひばり)など。あの伸びやかで透き通る歌声で歌っていて酒も二杯が三杯。以前はコンサートへも足を運んだが、ひとなつっこいあの笑顔とおばさまをころがすトークもたまらない。
〈追伸〉私もコロナ禍で自分の仕事をカバーするブログを始め、テレビラジオ好きには好評だと…思います。ニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』のホームページから私の“目で見る芸能史”「おもひでコロコロ」をぜひ。
イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2021年10月15・22日号