芸能

「まえだまえだ」の前田航基&旺志郎 “演技派兄弟”の対照的な強み

兄弟漫才コンビとして世に出たのは10年以上前だ(AFP=時事)

映画『奇跡』でダブル主演を務めた際の前田航基(左)と前田旺志郎(写真/AFP=時事)

 前田航基(22才)と前田旺志郎(20才)兄弟が、近年俳優として話題を集めている。現在、兄の航基はNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』に、弟の旺志郎は映画『キネマの神様』や『うみべの女の子』と話題作に出演中。小学生の時に漫才コンビ・まえだまえだとして活躍した2人が、今は大学生になり俳優として活躍する姿に、多くの人が新鮮味を感じているようだ。2人のそれぞれの違いや魅力について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
 かつて漫才コンビ・まえだまえだとして、愛らしい芸風でお茶の間を沸かせていた前田航基、旺志郎兄弟も気付けばもう大人。兄弟揃って俳優として目覚ましい活躍を見せており、SNSなどの口コミでは「兄弟揃っていい俳優」「各々成長して上手く異なる味を出してきた」などさまざまな声が寄せられている。確かに、兄・航基は個性的な役どころを、弟・旺志郎は素朴な役どころを多く務め、“演技派兄弟”としてそれぞれの魅力を発揮しているのではないだろうか。

 出演作が相次ぐ前田兄弟だが、彼らが俳優として広く知られるようになったのは、やはり兄弟でダブル主演を務めた2011年公開の映画『奇跡』だろう。同作は、『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞した是枝裕和監督(59才)による作品で、九州新幹線の全線開通を記念して制作されたもの。両親の離婚により鹿児島県と福岡県で離ればなれに暮らす小学生の兄弟が、ある“奇跡”を起こすために仲間たちと奮闘する姿が描かれている。

 この兄弟にそれぞれ扮したのが前田兄弟。少年少女が持つ瑞々しさを丁寧にすくい取る是枝監督らしい演出によって、お笑いタレントの印象が強かった当時の2人の等身大の魅力が映像に刻まれた。それ以前にも2人の出演作はあったが、同作以降、俳優としての活躍を意識させられることが強くなったように思う。実際、メジャー、インディーズを問わずさまざまなタイプの映画作品や、大河ドラマ、さらには舞台にと、両者ともに話題作への出演が絶えないのが現状だ。

 そんな2人が特に話題になったのが、“朝ドラリレー”を果たした時のこと。現在は兄・航基がヒロインの幼馴染み役として出演中だが、その前シーズンには弟の旺志郎が、朝ドラの『おちょやん』に出演し、ヒロインにとって息子のような大切な存在の役を演じた。視聴者にとって、歴史ある朝ドラへの出演は衝撃だったようで、SNSでは「朝ドラリレーを果たすとは、大人になった今でもまえだまえだはすごいんだな」といった、兄弟揃っての活躍に注目する声が多く見られた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン