騒動を謝罪したコムドット(写真はYouTubeより)
そもそも、深夜にコンビニにたむろするというのは、いかにも「地元ノリ」と言いたくなる行動でもある。もちろん、近隣住民に迷惑がかかるほど大騒ぎすべきではないし、本人に自覚がなくとも、周囲からしてみれば騒がしいと感じられてしまうこともある。騒音かどうかは声を出す当人ではなく、周りの人が決めるので、配慮は必要だ。
しかしファンからしてみれば、もしかしたら騒音トラブルも「地元ノリ」の延長線上にある出来事なのかもしれない。そしてむしろ、こうした「ノリ」こそが登録者数240万人超という人気の秘訣と言えるのかもしれない。
地方都市と若者の動向に詳しい社会学者の阿部真大・甲南大学教授は、コムドットを「地元ノリの最新系」としてこのように説明する。
「『地元ノリ』というと、2000年代に盛り上がったJラップにおける『レペゼン文化』が思い出されます。
1980年代や1990年代は、元気な若者たちにとって『地元を出て上京すること』が『よきこと』とされていました。しかし、日本が成熟社会の段階に入って価値観が多様化し、モータライゼーションが進んで地方の消費環境が劇的によくなり、インターネットの普及によって大都市との情報格差が小さくなると、若者たちは『東京』ではなく『地元』で生きることに満足するようになってきました。そうした変化と2000年代の『レペゼン文化』は関係していると思います」
「レペゼン」とは、英語のrepresentに由来し「代表する、象徴する」を意味するヒップホップ用語。主にラッパーやMCがマイクパフォーマンスの際に、「レペゼン〇〇!」と自身の出身地域の前に「レペゼン」とつけてシャウトすることがある。阿部教授が続ける。