ライフ

岸田首相に学ぶ「いいことを言っているように見せる3つのコツ」

広島の戦局も注目(時事通信フォト)

メッセージは伝わるか(時事通信フォト)

 コミュニケーションのあり方が多様化してるからこそ、話し方の重要性は高まっている。大人力について研究するコラムニスト・石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 たとえが適切かどうか不安ですが、長い懲役生活を終えた人が出所してごく普通のラーメンやカツ丼を食べたときには、きっと「世の中にこんな旨いものがあるなんて!」と感激することでしょう。日本の国民は今、それに近い感覚を味わっています。

 自民党の総裁選挙を勝ち抜いた岸田文雄氏が、10月4日、100代目の総理大臣に就任。その日の夜や衆議院を解散した14日夜に、記者会見を行ないました。何より驚きだったのは「ちゃんと記者の質問に答えている!」と感じられたこと。「ごにょごにょ言わずにはっきりしゃべっている!」という印象も受けました。

 長く続いた安倍政権とその後の菅政権のおかげで、私たちは「総理大臣というのは、記者の質問にまともに答えようとしない人なんだな」というイメージを抱いていました。ただ、油断は禁物だし、それをもって岸田首相を信用したり高く評価したりするのは浅はかです。新型コロナウイルスの国内の新規感染者数が「数千人単位だったのに数百人単位に減った」と、うっかりホットするのと似ているかもしれません。

 比較の罠にはまって大事なことを見落とさないように、イメージだけではなく、本当にちゃんと答えているのかどうかを検証する必要があります。意地が悪くて恐縮ですが、そんな観点で14日夜の記者会見を念入りに振り返ってみました。

 そこから見えてきたのは、話し方から受ける印象がいかにアテにならないかということ。話の中身はさておき「説得力」や「信頼感」を漂わせるのは、政治家にとって必要かつ大切な能力です。世知辛い世の中を生きる私たちも、身に着けておいて損はありません。新しいリーダーを冷静に評価する意味も込めつつ、岸田首相の記者会見から「いいこと言っているように見せるコツ」を学ぶとしましょう。

●岸田首相に学ぶ「いいこと言っているように見せる3つのコツ」

その1「二者択一を迫りつつ、相手の側をさりげなくdisる」
その2「相手の話を聞いていることを強調しつつ、とにかく言い切る」
その3「『しっかり』『丁寧に』『全力で』といった言葉を乱用する」

 岸田首相は、今回の衆議院選挙を「未来選択選挙」と呼んでいます。「給料を上げます」「給付金を配ります」といったニンジンを鼻先にぶら下げつつ、「コロナ後の新しい未来を切り開いていけるのは誰なのか、国民にご選択をいただきたいと存じます」と、二者択一を迫っています。さらに「誤りを二度と繰り返してはなりません」というフレーズを織り込んで、相手側をさりげなくdisるという小技を利かせつつ。

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト