スポーツ

菊花賞 皐月賞馬もダービー馬も不在なら条件馬でも勝負になる

阪神競馬場のパドック

今年の舞台は阪神競馬場

 牡馬三冠レース最後の関門、今年は例年とはやや異なる趣きだ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * * 
 皐月賞馬もダービー馬も出ない菊花賞は、平成以降で9回もある。体調が整わなかったり、故障したりしたケースもあるが、3000mという距離を嫌って別路線に向かうことが多くなったことが最大要因。菊花賞馬の勲章は、種牡馬としての価値には貢献しないのだ。

 9回のうち5回の覇者は条件馬で、2勝クラス(旧900万、1000万)までしか勝っていない馬だった。2019年に勝ったワールドプレミアも勝ったのは3歳1勝クラスのつばき賞まで。神戸新聞杯で3着に入って出走権を獲得したものだ。そんな馬が3番人気に支持されて勝ち、1年半後には天皇賞(春)まで勝っている。

 またそれ以外でも条件馬の身で菊花賞馬になったのは4頭。格上挑戦だからといって斤量が軽くなることもないのに勝ち切っている。通用するとかしないとかではない。どの馬も3000mは未知。同じ3歳馬同士、適性と順調度、経験や成長度合いが問われる。まずは条件馬の可能性について検討してみる。

 アメリカ産馬エアサージュは前走2600mを勝っている。二の脚が速く、すっと先行できるセンスの良さがある。道中も折り合いがつくし、直線で先頭に立つと、大きな飛びの走法でなかなか抜かせないしぶとさがある。ただ1度の敗戦も勝ち馬からはコンマ3秒と、いまだ底を見せていない。

 兄はダート重賞の東海SやLエニフSを勝っているエアアルマス(父マジェスティックウォリアー)。そしてPoint of Entry産駒といえば今年の関屋記念(新潟1600m)を勝ったロータスランドだが、自身は芝9F~12Fの米GⅠを5勝しており、BCターフでも2着。産駒は本来芝の長距離に適性があるはずだ。

 ヴェローチェオロは2歳時からエフフォーリア、ダノンザキッド、ソダシ、ユーバーレーベンといった同世代のトップクラスと接戦してきたことが、ここにきて生きている。ダート戦以外はすべて掲示板を確保しており、大崩れしない堅実さが魅力だ。同厩、同馬主のステラヴェローチェがマークされているが、父ゴールドシップの血が騒ぎだしてもおかしくない。

 唯一の牝馬ディヴァインラヴは夏を迎えて馬が一回り大きくなり、この鞍上になってからレースぶりも安定してきて連勝中。父も母の父もこのレースを制しており、上位への食い込みを期待したい。

 条件馬ではないがオーソクレースは2歳時に出世レースと言われるアイビーSを勝ち、暮れのホープフルSで2着になりながら骨折でクラシックへの出走がかなわなかった。休み明けの前走セントライト記念はなんとか3着を確保。ルメール騎乗で人気になりそうだが、“菊花賞血統”に加えて母も2200mのGⅠを2勝している超良血馬だけに、叩き2走目でさらなる上昇が見込める。

 平成以降の菊花賞馬で皐月賞にもダービーにも出走したのは32頭中半分以下の15頭。そのうちダービーで掲示板を外していたのはキタサンブラックだけ。ダービーだけ出走した菊花賞馬は3頭でそのうち2頭はダービー2着。他の14頭は春のクラシックとは無縁だった。春のクラシックで上位に来ていなければ、秋の長丁場は戦えないということがいえる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

発信機付きのぬいぐるみを送り被害者方を特定したとみられる大内拓実容疑者(写真右。本人SNS)
「『女はさ…(笑)』と冗談も」「初めての彼女と喜んでいたのに…」実家に“GPSぬいぐるみ”を送りアパート特定 “ストーカー魔”大内拓実容疑者とネイリスト女性の「蜜月時代」
NEWSポストセブン
女優・高橋メアリージュン(38)
《服の上からわかる“バキバキ”ボディ》高橋メアリージュン、磨き抜かれた肉体でハリウッド進出…ダークファイター映画『グラスドラゴン』でワイルドな“圧”で存在感示す
NEWSポストセブン
相撲観戦のため、国技館へ訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま
《愛子さま、6年ぶり4回目の相撲観戦》天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下、昭和天皇…天覧相撲のご様子をプレイバック
女性セブン
お騒がせインフルエンサーのリリー・フィリップス(Instagramより)
《目がギンギンだけどグッタリ》英・金髪インフルエンサー(24)が「これが“事後”よ」と“ビフォーアフター”動画を公開 地元メディアは「頼んでもない内部暴露」と批判
NEWSポストセブン
韓国の大手乳業会社「南陽乳業」創業者の孫娘であるファン・ハナ(Instagramより。現在は削除済み)
「知人にクスリを注射」「事件を起こしたら母親が裏で処理してくれる」カンボジアに逃亡した韓国“財閥一族の孫娘”が逮捕…ささやかれる“犯罪組織との関係”【高級マンションに潜伏】
NEWSポストセブン
1月21日に警視庁が公表した全国指名手配写真(警視庁HPより)
《トクリュウ“トップ”が指名手配》女性を性風俗店に紹介する違法スカウト集団率いる小畑寛昭容疑者、公開された写真の強烈なインパクト 「悪者の顔」に見えるのはなぜか?
NEWSポストセブン
社員らによる不正な金銭受領について記者会見するプルデンシャル生命の間原寛社長(時事通信フォト)
《顧客から31億円不正》「一攫千金狙って社員が集まっている。トップ層は年収3億円超も…」超実力主義のプルデンシャル生命元社員が明かす不正の萌芽
NEWSポストセブン
公用車が起こした死亡事故の後部座席に高市早苗氏の側近官僚が乗っていた可能性(時事通信/共同通信)
《高市早苗氏ショック》「大物官僚2名」がグシャグシャの公用車の中に…運転手が信号無視で死亡事故起こす、内閣府は「担当者が出払っている」
NEWSポストセブン
デビット・ベッカムと妻のヴィクトリア(時事通信フォト)
〈泥沼ベッカム家の絶縁騒動〉「私は嫌というほど知っている」デビット・ベッカムの“疑惑の不倫相手”が参戦、妻ヴィクトリアは“騒動スルー”でスパイス・ガールズを祝福
NEWSポストセブン
元旦にIZAMとの離婚を発表した吉岡美穂(時事通信フォト)
《やっぱり女性としてみてもらいたい…》吉岡美穂とIZAM、SNSから消えていた指輪と夫の写真「髪をバッサリ切ってボブヘアに」見受けられていた離婚の兆候
NEWSポストセブン
稀代のコメディアン・志村けん
《志村けんさんの3億円豪邸跡地》閑静な住宅街に「カン、カン」と音が…急ピッチで工事進める建設会社は“約9000万円で売り出し中”
NEWSポストセブン
バスに戻る悠仁さま(2026年1月) 
《公務直後にゲレンデ直行》悠仁さま、サークルのスキー合宿で上級者コースを颯爽と滑走 移動のバスには警察車両がぴったりマーク、ルート上の各県警がリレー形式でしっかり警護 
女性セブン