「肝臓に良い」と言われ、成分が入ったドリンク剤などが広く利用されているウコンにも要注意の組み合わせがある。抗凝固薬・抗血小板薬との併用で出血のリスクが、糖尿病治療薬との併用で血糖降下作用が増強されて低血糖のリスクがあるとされる。また特に注意すべき人がいる。
「肝臓に良いとされるウコンですが、肝機能障害のある人は鉄の含有量が多いウコン製品は避けるべきです。ウコンの主成分(クルクミン)は使う分には問題ないですが、肝機能が低下している状態や肝炎の人が鉄分を多く摂取するのは高リスクです」(堀氏)
体内で消化や代謝を助ける補酵素として働くコエンザイムQ10は、疲労回復や老化防止など、さまざまな健康効果を期待して摂取される。しかし、降圧剤との併用で血圧が過度に低下する恐れが指摘されている。また抗凝固薬との併用では逆に薬の効果が弱まり、血液凝固リスクを高めるという。
「コエンザイムQ10はもともと、一般名ユビデカレノンという医療用医薬品です。強心剤として使われる薬で、その血圧降下作用についてはエビデンスがありません。降圧剤との併用でなぜ過度に血圧が下がるのか、機序はよくわからないのですが症例もあり注意は必要です」(長澤氏)
※週刊ポスト2021年11月5日号