高市早苗・政調会長(時事通信フォト)
それというのも、「1票の格差」是正のために次の総選挙までに全国で10増10減の定数是正が行なわれ、山口県は現在の4選挙区から3選挙区へと定数1減になる。
新たな区割り案は政府の区割り審議会でまとめられるが、位置的に安倍氏の山口4区と林氏の山口3区の一部が統合されて「新3区」になるのはまず間違いない。安倍氏と林氏の公認争いは避けられない。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。
「安倍氏の山口4区はもともと下関市を中心に路線バスやガス会社などを経営する林家の地盤です。そのうえ、林氏は今回の選挙で3区でもどんどん地盤を固めて圧勝した。3区の一部と4区が合区になれば林氏のほうが有利。安倍氏が選挙区を奪われる可能性は十分あります」
林氏が重要閣僚の外相に就任して脚光を浴びれば、安倍氏の地元での立場はますます不利になる。そこで安倍サイドは「林外相就任」阻止に動いたものの岸氏に押し切られた格好になった。
安倍氏の性格は意地っぱりで執念深い。岸田首相の一連の動きに“そこまでオレを潰したいのか”と深く遺恨を抱いたと見て間違いなさそうだ。
※週刊ポスト2021年11月19・26日号