(写真/共同通信社)

中国で初の植え込み型補助人工心臓手術を受けた宋さんは、寝たきりの生活から自分の足で歩けるまでに(写真/共同通信社)

 心不全になった心臓を置き換えたり、補助する人工心臓を使うことで10年以上寿命を延ばしている人も出てきている。日本人工臓器学会の前理事長、妙中義之さんが言う。

「現在の人工心臓は外部に出た電線などを装置につなげて使いますが、いずれは血液ポンプも電池も、コントロールする装置もすべて体内に埋め込んだ人工心臓が実現すると予想されます。

 それだけでなく、人工物と生体の細胞を組み合わせた『ハイブリッド人工臓器』の研究も進んでいる。肝臓やすい臓は多くの化学反応を行うため、役割が複雑で機械に置き換えることが難しいのですが、人工物と細胞が共同作業する『人工肝臓』『人工すい臓』が完成するかもしれません」

 今年1月、中国で人工心臓の植え込み手術を受けた42才の宋さんが退院した。手術前の宋さんは寝たきりを余儀なくされていたが、人工心臓のおかげでベッドから起き上がり、自力での生活ができるようになったという。

 自身の臓器の一部が寿命を迎えても、新たな臓器に交換することで元気に長生きできることが当たり前になるかもしれない。

※女性セブン2021年11月11・18日号

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