さらに驚くのが、つい最近というか、まだ現行モデルが販売されている車種までも中古車相場価格の上昇が見られるということです。
【ホンダS660(2015~2021年)/新車時価格198万円~】
平均価格約230万円、最高約570万円
【トヨタ・86(2012~2021年)/新車時価格199万円~】
平均価格約210万円、最高約750万円
【マツダ・ロードスター(FD型/2015年~)/新車価格249.5万円~】
平均価格約240万円、最高約340万円
【ダイハツ・コペン(2014年~)/新車価格179.8万円~】
平均価格160万円 最高約340万円
今年になって生産中止になるS660は、新車価格よりも中古車相場の方が上! 今年に新型に代替わりしたトヨタの86や、現行モデルであるロードスターやコペンも新車価格に限りなく近い相場です。まったくもって驚くべき状況です。
トヨタ・86(2012~2021年)
マツダ・ロードスター(ND型/2015年~)
ホンダ・S660(2015~2021年)
ダイハツ・コペン(2014年~)
「25年ルール」で旧モデルを買いあさる米国
では、なぜ、スポーツカーの中古車価格が高騰しているのでしょうか。それには、いくつもの原因が予測されます。
まず、大きいのが『ワイルドスピード』シリーズや『イニシャルD』といった日本製スポーツカーが活躍する映画や漫画、アニメが世界的にヒットしたことでしょう。
こうした作品によって、日本製スポーツカーの世界的な認知度が高まり、欲しいという人が国内のマニアだけでなく海外でも増え、その結果、日本のスポーツカーの中古車の引き合いが増えて、価格が上昇するというわけです。
アメリカと日本の間には、いわゆる「25年ルール」が存在します。これは、右ハンドルの中古車輸入を禁止しているアメリカにある、「登録25年以上の古いクルマはクラシックカー扱いとして、右ハンドルもOK」という制度です。
このルールの存在によって、日本製スポーツカーが欲しいアメリカの人が25年前の日本車を買いあさっています。つまり、1995年以前の古いスポーツカーの相場高騰は、この25年ルールの影響大だったというわけです。