芸能

ニコール・キッドマンが熱演する「共産党員疑惑のルーシー」

「美人すぎる」と批判されてしまったニコール・キッドマン(EPA=時事)

「美人すぎる」と批判されてしまったニコール・キッドマン(EPA=時事)

「世界で最も出演料の高い女優」ニコール・キッドマン(54)が米テレビ史上最高の視聴率を打ち立てたコメディドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」の主演女優ルシル・ボールの私生活を題材にした伝記映画「Being the Ricardos」に主演した。12月10日に全米各地で封切られ、21日からはアマゾン・プライム・ビデオで配信される。

「アイ・ラブ・ルーシー」は、1950年代のニューヨークに住む、おっちょこちょいでハリウッド・スターを夢見る主婦ルーシー・リカードと、バンドリーダーでキューバ出身の夫リッキーが繰り広げるドタバタ喜劇だ。1951年の放送開始直後から大ブームとなり、6つのシリーズとその後の派生シリーズは、ほぼ休みなく1970年代まで作られ続けた。当時、日本でもNHKとフジテレビが放映して人気を博し、21世紀に入った今も、アメリカはもちろん日本でも再放送され続けている。

ルシルとデジは私生活でも夫婦だった(GRANGER/時事通信フォト)

ルシルとデジは私生活でも夫婦だった(GRANGER/時事通信フォト)

主演のルシル・ボールと夫リッキーを演じたデジ・アーナズは私生活でも夫婦で、ルシルは実際に妊娠した時もそのまま劇中でルーシーを演じ、第一子を出産するエピソードは視聴者4400万人という記録的なヒットを収めた。その年のアイゼンハワー大統領就任式の視聴者の2倍だったことは語り草だ。

新作映画の監督は「シカゴ7裁判」「ア・フュー・グッドメン」を手掛けたアーロン・ソーキン。夫デジ役はスペイン映画界のスーパースター、ハビエル・バルデム。そして、ルシル役にニコール・キッドマン。監督、主演男優、主演女優が全員アカデミー受賞者という豪華な布陣だけに、すでにアメリカでは公開を待つファンの期待が最高潮だ。

キッドマンはインタビューでこう述べている。

「ルシル・ボールはあれほど一世を風靡した女優なのに、私自身、彼女の実像について全くわからなかった。6週間、ビデオを観たり彼女に関する記事や本を手当たり次第に読んだりしたけど、わからない。私はボールにはなれない。でもこの作品はアイ・ラブ・ルーシーのカーボンコピーでも焼き直しでもない。稀有なコメディ女優ルシル・ボールがどんな人生を送ったか、それを伝えることに徹しました」

ところが、注目度が高いことの代償と言うべきか、ハリウッドを牛耳る評論家はじめ一部のファンからは、今回のキャスティングにイチャモンがついている。まずキッドマンは正統派美人でルシル役には向いていないし、デジ(役柄のリッキーも)はキューバ系移民なのに、なぜスペイン人を起用したのかというわけだ。とくに後者の理由は、人種問題やマイノリティ差別にとりわけ厳しいハリウッドだけに、キューバ人の役に欧州の白人を使うことへの反発は大きかったのである。

ソーキン監督はこう反論している。

ソーキン監督(中央)とキッドマン(AFP=時事)

ソーキン監督(中央)とキッドマン(AFP=時事)

関連記事

トピックス

始球式に登板した稲村は基本ノーバン(時事通信フォト)
《基本ノーバン》稲村亜美の球速が激減、2年間もマウンドから遠ざかる「始球式の女王」「神スイング」は今 
NEWSポストセブン
デートは必ず手つなぎで
小室圭さん眞子さん夫妻“マンハッタンよりも治安のいい郊外”の高級マンションに新居か
女性セブン
「渋谷区『新しい学校づくり』整備方針~学校施設の未来像と建て替えロードマップ~」より
【ジェンダーレストイレ問題が続々】小学校に地域開放ユニバーサルトイレ設置案、渋谷区教委に憤るママ区議「子どもたちの安全を!」
NEWSポストセブン
西谷浩一監督
高校野球界「一強」の大阪桐蔭に異変 まさかの「4連敗」で投手陣は緊急事態、打線はタイムリー欠乏症の懸念
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
“大谷翔平に詳しすぎる解説者”として人気沸騰・福島良一氏が明かす「大谷と歴代日本人選手の決定的な違い」
週刊ポスト
鈴木蘭々が振り返る『ポンキッキーズ』 「番組で発表した楽曲が再び私の人生を変え始めている」
鈴木蘭々が振り返る『ポンキッキーズ』 「番組で発表した楽曲が再び私の人生を変え始めている」
女性セブン
ウーマンラッシュアワー・中川パラダイス(左)と鳥居みゆき(右)
鳥居みゆき×中川パラダイス対談 異色すぎる新ユニットライブ「村本は呼びません!」 
NEWSポストセブン
性加害報道のあった木下ほうか(前所属事務所のホームページより。現在は削除済み)
【LINE全文】木下ほうかが取り下げた性加害報道裁判「ヤダヤダって何度も言ってるのに無理矢理そのまま入れようと」「直接会って謝りたいです」 事件直後のやりとり34通
NEWSポストセブン
秋篠宮さまと紀子さま、英国王戴冠式で垣間見られた“不協和音” 悠仁さまの教育方針でも意見の食い違い
秋篠宮さまと紀子さま、英国王戴冠式で垣間見られた“不協和音” 悠仁さまの教育方針でも意見の食い違い
女性セブン
リナ・ローズ氏と高級スクール
「トラブルで辞める人多数」元保護者が激白する麻布の高級スクールへの違和感 本部あるビバリーヒルズ住所を調べた結果
NEWSポストセブン
(写真はイメージ)
暴力団幹部「ベンツなんてもう乗らない。トヨタの200万円だよ」ヤクザの高級車離れで“メンツよりもコスパ”の時代へ
NEWSポストセブン
御成婚30年を迎えるおふたり(写真/共同通信社)
御成婚30年の天皇皇后両陛下 喜びや悲しみを分かち合ってきた「愛と絆の歩み」
週刊ポスト