MDも今や…
三省堂の辞典から“スッチー”が消えた理由について、米川氏は「すでに客室乗務員を『スチュワーデス』と呼ぶ人は少数派。ジェンダーフリーの時代を反映しています」と指摘するが、“コギャル”が削除されたのは意外だったようだ。
「コギャルやマゴギャルは30年近く前から使われてきましたが、すでに、臭いのついた“オジサン語”になってしまったのでしょうか……」
そう笑う米川氏が、流行り言葉の意外な歴史を教えてくれた。
「最近はタレントのDAIGOさんなどの影響で、話し言葉のフレーズをアルファベット数文字に略すことが流行っています。たとえば、女子高生の間で『MMK』(モテてモテて困る)が使われていましたが、これは昭和初期の海軍士官の間で同じ意味で流行った略語なんです。戦後すぐに男子学生間で流行し、みたび、100年の時を経て女子高生間で同じ略語が蘇る、興味深い事例でした」
流行り言葉の背景を探り、当時の文化や世相に想いを馳せるのも味わい深い。