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コギャル、MD…三省堂「新・国語辞典」で消えた“死語”の世界

コギャルも“死語”に(時事通信フォト)

「スッチー」などとともに「コギャル」も“死語”に(時事通信フォト)

『三省堂 国語辞典』が8年ぶりに内容を全面改訂、12月17日に全国の書店に並ぶ。1960年の初版刊行から版を重ね、今回で8回目の刷新となった。同辞典には約3500語の新語が掲載される一方で、約1100語の言葉が消えたという。新たに加わった言葉、掲載されなくなった言葉を見ていくことで、時代の移り変わりも見えてくる。

 今回の改訂では「黙食」「人流」「置き配」など、コロナ禍で広まった言葉が新たに収録された。そのほか「ラスボス」(最後に出てくる強敵や難関)、「エモい」(感情を揺さぶる)など、若者がネットやゲームで使うスラングが多数、追加収録されたことも大きな特徴と言えそうだ。

 一方で、削除された言葉には「スッチー」「コギャル」「MD(ミニディスク)」などがあった。昭和後期から平成に青春を謳歌した人々に馴染み深い言葉が、「死語」と認定されたのだ。50代男性が語る。

「中学生の娘との会話で、話がかみ合わないことがある。『お父さんの背広を持ってきて』『修学旅行の写真、何枚焼き増しする?』と言って、キョトンとした顔をされたことがありました。まったく話が通じないわけではありませんが、今回、辞典から外れたMDは存在すら知らないようで、隔世の感を禁じえません」

 60代以降になると、そうした思いがさらに強いようだ。

「われわれが当たり前に使っていた『(カメラの)シャッターを切る』、『(カセット)テープに吹き込む』という言い回しは、孫にはほとんど通じないね。『(電話の)ダイヤルを回す』もピンとこない。『ピポパして』と言ったら余計に混乱していたよ(笑)」(70代男性)

 取材で40~70代の人々に話を聞くと、「比較的最近まで使っていた」言葉が“死語”になっていると感じた例として、以下が挙げられた。

●衣類関連=「チョッキ」「ランニング(シャツ)」「とっくり」
●飲食関連=「イタメシ」「グルメ」「ビフテキ」「冷コー(主に関西地方で使われたアイスコーヒーの意)」
●話し言葉=「バタンキュー」「イチコロ」「ハナ金」「ナウい」「バタ臭い」
●その他「乳母車」「下駄箱」「えもんかけ」など──。

 日常で使われる言葉の移り変わりについて、『俗語百科事典』(朝倉書店)などの著書がある梅花女子大学名誉教授・米川明彦氏に聞いた。

「どんな言葉にも“生まれたら死ぬ”宿命があると考えています。『花』や『生きる』といった基礎語は変わらなくても、その時代の流行や周辺の言葉に影響され、流行り廃りがあるのは当然です」

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