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国会論戦で存在感を示す維新 「松井体制」からの脱却こそ課題

答弁に注目が集まる足立康史・議員(時事通信フォト)

答弁に注目が集まる足立康史・議員(時事通信フォト)

 岸田政権発足後、初の本格論戦となる臨時国会。コロナ感染対策を盛り込んだ2021年度補正予算案は、衆院本会議の採決を経て、大きなヤマを越えた。補正としては過去最大となる35兆円あまりの予算案は、12月21日までの会期内にあっさり成立する運びだ。第3極となった日本維新の会との対立を避けたい与党の意向が、結果としてスムーズな国会運営に繋がったと言える。

 昨年の臨時国会はコロナ国会と呼ばれたものの、野党第一党である立憲民主党が日本学術会議の人事問題への追及を続けたことで、国会審議が空転した。しかし今国会は、強行採決と審議拒否が繰り返されてきた昨年までの“乱戦国会”とは、一味違った模様である。

 なかでも象徴的なのが、12月14日の衆院予算員会で質問に立った日本維新の会の足立康史・議員が、岸田文雄・首相に鋭く詰め寄った場面だ。足立議員は、現金一括給付を容認する方針に急転換した「18歳以下への10万円相当給付金支給」について、「年内に一括で配りたい首長が、内閣の判断で遅かったためにできなかった場合、責任は岸田内閣にある」「時期が遅い」と追及。これにより岸田首相は当初、現金一括給付の指針について、予算案成立後に示すとしていたが、「一両日にお届けしたい」と答弁するに至った。

「実績が評価されたわけではない。何かやってくれるのではないかという期待が大多数を占めている」

 日本維新の馬場伸幸・共同代表は、臨時国会の召集を前にした12月3日の記者会見でこう述べていたが、まさにこうした前向きな国会質疑は、第3極の躍進に導いた国民有権者の期待に応えるものだ。

 もっとも、来夏の参院選でさらなる躍進を目指す日本維新が越えなければならないハードルは国会審議だけではない。ここにきて日本維新の会の代表を務める松井一郎・大阪市長が、府民に「飲食は2時間程度以内」と要請されているなか、居酒屋に30人もの所属議員を集めて3時間ほど会食を開催していたことが発覚した。国民有権者の期待を裏切るものだが、党内から責任を問う声は上がってこない。

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