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紅白名場面座談会・前編「最後のSMAPのオーラと圧はすごかった」

合田さんが“第二の松山千春”としてデビューした1979年は、紅組が勝利。紅組司会のチータ(水前寺清子)が胴上げされた

合田さんが“第二の松山千春”としてデビューした1979年は、紅組が勝利。紅組司会のチータ(水前寺清子)が胴上げされた

 2年ぶりに有観客で行われる『第72回NHK紅白歌合戦』(以下、紅白)。NHKホールが改修工事中のため、2021年は東京国際フォーラムで開催される。紅白の裏と表を取材してきた芸能リポーターの長谷川まさ子さんと駒井千佳子さん。そして、歌手経験もある日本歌手協会理事長の合田道人さんが、そんな紅白について語り合った。【前後編の前編】

長谷川:2020年はコロナ禍で現地取材が叶いませんでしたが、それ以前は来る者は拒まずのNHKの神対応で、毎年取材をしていました。駒ちゃんは何が印象に残ってる?

駒井:私は断然、2015年のSMAPです。年明けすぐに独立騒動が降って湧いて、同年に解散となったので、結果的に彼らの最後の出演が2015年になりました。リハーサル時から、とにかく彼らの存在感やオーラは、ものすごかったんです。

長谷川:駒ちゃんがよく言ってたよね。「SMAPは5人そろったときのオーラが半端ない」って。

駒井:そう。あのときは台湾など海外メディアも来ていて、記者の数がめちゃめちゃ多かったですね。通常の紅白では出演者に取材するのを囲み取材というのですが、NHKホールの場合、リハーサル時には、お客さんが1階席に下りる階段のところで行われるのです。でも、SMAPだけはリハーサル2日目に、報道向け取材撮影コーナーでの取材になり、もうフラッシュの数が桁違いでした。そんな中、木村くんだけは一度もまばたきしなかった

長谷川:さすが、キムタク!

駒井:その木村拓哉を見るため、私もまばたきしないでいると、もう目が痛くてしょうがなかった(笑い)。リハーサルといえども、メドレーを歌い始めたら、一瞬でそこにいた全員がSMAPワールドに取り込まれて、記事を書いたり、写真を撮ったりしていても、振りに合わせて手を動かしちゃう。それくらい圧倒的な存在感で、スターといえる最後の人たちかもって思ったくらいです。私、いつも質問係なんですが、彼らの場合、圧がすごくて後ずさりしそうになるから、必死で踏ん張って質問したのを覚えています。

合田:国民的スターだったSMAPが初の大トリを飾った2003年は紅組が0票で、白組圧勝という珍事が起きました。

長谷川:私のいちばんは1998年の安室奈美恵さん。1997年に結婚を発表し、紅白のトリを最後に産休へ。その後、1998年の紅白を復帰のステージに選び、『CAN YOU CELEBRATE?』を歌いながら階段を下りてきて、いちばん下まで来て頭を下げたら、会場からすごい声援が飛び、安室さんは思わず“うるっ”ときて涙が止まらず、歌も途切れ途切れに。歌い終えて3回ぺこぺこってやったのがすごくかわいかったですね。

〈その後、引退を発表し、最後の舞台に選んだのが2017年の紅白だった。安室奈美恵さんにとって、いかに紅白が特別な存在だったかがわかる〉

合田:お2人が平成の最高の紅白の話をされたので、ぼくは昭和の紅白の話を少しさせてもらいます。ぼくは父の影響で紅白が好きになって、当時4才だった1965(昭和40)年の紅白を覚えているわけがないのに、全部見た感覚があります。それ以来、毎年必ず見ています。

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