牛乳を毎日飲んでいても、タバコやアルコールのほうが健康に与える影響がはるかに大きいということだろう。前出の秋津医師の指摘。
「牛乳で脳梗塞リスクが下がるという結果は慎重に見たほうがいいでしょう。過度な期待はせず、牛乳を日々の食事に取り入れたい。1日に20品目の食品を目指すのが良いとされますが、そのなかで牛乳をローテーションに入れるのです。牛乳は200ミリリットル、紙パック1つ分を1日の目安と考えましょう」
昭和の“牛乳神話”そのままにがぶ飲みするのは、栄養過多になり健康リスクが高まりかねない。飲み方について、小田原短期大学食物栄養学科の平井千里准教授はこう指摘する。
「牛乳は高カロリーなのでたくさん飲むと肥満などのリスクが増します。低脂肪乳を飲むか、ヨーグルトなど他の乳製品と併せて摂取しないなどの注意が必要です。また、骨粗しょう症を防ぐため、骨の新陳代謝が行なわれる夜にコップ1杯の牛乳摂取を心がけると、より効果的でしょう」
飽食の時代だからこそ、賢く牛乳を飲みたい。
※週刊ポスト2022年1月28日号