2015年10月、『TVer』サービス開始の会見(時事通信フォト)
テレビ局がここまで若者シフトを敷いてくるとなると、高齢者は肩身が狭い。そんな高齢者にとって“最後のオアシス”となっているのが、BS放送である。
「TBSの『噂の!東京マガジン』や朝日放送の『パネルクイズ アタック25』など往年の人気番組がBSで復活し、プロ野球中継もBSに移行しつつあります。時代劇や昭和歌謡の番組なども充実している。BS11の調査によると、BS放送の視聴者は50代以上が8割というデータがあり、広告も高齢者向けが多い。そのため、高齢者から堅調な視聴率が見込める番組はBSで放送する流れが続くでしょう」(メディアコンサルタントの境治氏)
地上波デジタルは若者、BSは高齢者と、知らぬ間にセグメント化されていたのだ。視聴者が“最近観たいテレビがない”と思う背景には、テレビ局側のしたたかな戦略があった。
※週刊ポスト2022年2月4日号