芸能

『新婚さん』『ガッテン』…レジェンド続々卒業に高田文夫氏の思い

レジェンド番組が次々と…

レジェンド番組が次々と…

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。高田氏が、2022年春に終了するテレビ・ラジオの長寿番組についてつづる。

 * * *
 オミクロンがどんどん広がり、私の仕事のまわりだけでも春風亭昇太、ナイツ、オードリー、林家たい平と次々。何だって前倒し、せっかちな東京っ子の高齢者としては早くもワクチン3本目だ。猛打賞である。早めに打っときゃ周りも私に気を遣わずに済む。中には「代打で一本喋ってくれませんか」なんて話もあってこの節、私は「ラジオ界のあぶさん」とも呼ばれている。

 さあ学生達と同じようにテレビ・ラジオ界も卒業シーズンである。かつてのヒット曲に『青春時代』というのがあって“卒業までの半年で 答えを出すと 言うけれど~”。なにやらテレビ局の編成みたいな歌詞だが、出したのが長寿番組やらレジェンド達の終了という答えらしい。“レジェンド”と言えば聞こえもいいが「レ」を取れば“ジエンド”ってことですからネ。うまい! 宮治ザブトン一枚。

 番組名を見ているだけでおどろきだ。桂文枝が51年続けた『新婚さんいらっしゃい!』。78歳ともなると椅子からコケるのも命がけらしい。私が社会に出て働き出してから51年、ずっと「いらっしゃーい」なのだ。だったら降りずに新婚ではなく結婚50年の人を集めて『金婚さんいらっしゃい!』ってのはどうだ。たいてい片っ方は死んじゃってるか? 貧しい夫婦を紹介する番組『貧困さんいらっしゃい!』は? 駄目?

 落語界西の看板が終わったら東の看板も。立川志の輔の『ガッテン!』も27年やって終わる。これはガッテンしかねるネ。NHKの会長は大ナタ振るう大改革とかで『紅白歌合戦』もやめるかもしれないんだって。エ!? 私が見ている『プロフェッショナル 仕事の流儀』も週イチから月イチになるの? オレの流儀と違うなあ。高齢者の見る物がどんどん無くなっていく。

 仁鶴師が亡くなったこともあるけど『生活笑百科』も37年で終了。週に一回生でビートたけしを見るのも楽しみだった『新・情報7Daysニュースキャスター』もあの謎のジャーナリストがいなくなるの? 残り2か月だったらどうせやめるんだ、とんでもない発言の数々を続けたらどうか。放送史上初とも言えるビーンボールな発言。しかられたら「年のせいでボケちゃったもので」で済むと思う(済むか!?)。『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』が27年。昼間やってる坂上忍の『バイキングMORE』も8年で終わっちゃうんだね。ラジオ界はTBSが大さわぎで『伊集院光とらじおと』がゴタついて6年で終わり。大沢悠里も36年で去って行った。

 そんな中、私のラジオは34年。まだまだやってる。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2022年2月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン