初めての都知事選では美濃部亮吉に敗れた(1975年に石原氏の選挙応援に駆けつけた弟・裕次郎氏/時事通信フォト)
自民党が野に下っていた1994年、自民党の国会議員だった石原氏は党の政策大綱案として、「二十一世紀への橋」という論文を書いた。そのなかでも石原氏は、高校を卒業した年齢の子供は、1年間か2年間、軍隊か警察か消防に入る義務を課すべきと記した。
権利や自由ばかり尊重されるなか、義務と責任を通じて若者を成長させるべきとの主張は、個人主義が進んで連帯感を失った今日の日本社会に痛烈に響く。
「新スパルタ教育論」と題したインタビュー(2012年1月13・20日号掲載)では、体罰を絶対悪とする世の風潮に反し、「しつけとは体罰だ」と主張した。
「体罰はいいんだ。身にしみるからね。残虐行為とは全く違う。立たせるとか男のお尻をたたくとか、せいぜい平手打ちを食らわすぐらいあったっていいと思うな。やっぱり、しつけですよ。しつけっていうのは刷り込みなんです。たとえば九九算ですよ。あれは計算じゃなくて、刷り込みで暗記してる。それをやらなきゃダメです。それをある年齢まで来たときに、とにかく半ば強制的にやれるのは集団生活しかないから」
こうした「暴論」は今の若者にどう届くだろうか。
※週刊ポスト2022年2月18・25日号