芸能

永瀬廉が主演作で演じる「等身大の若者」 同世代の共感を呼ぶ滑らかな表現力

大倉忠義の交際報道にジャニーズファンたちは祝福ムード

1年半ぶりの主演作でも実力を見せつけた永瀬廉

 現在公開中のKing&Princeの永瀬廉(23才)が主演を務めた映画『真夜中乙女戦争』。公開が開始すると、初日から3日間で観客動員数8万2000人を記録し、興行収入は1億1300万円という好スタートを切った。本作において、どこにでもいるような等身大の若者を演じているのが1年半ぶりに主演を務めた永瀬だ。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんは、「表現の幅を広げ、大きな成長を遂げている」と語る。

 * * *
 本作は、若者を中心に支持を集める作家・Fによる同名小説を、映画『チワワちゃん』や『とんかつDJアゲ太郎』などを手掛けた映画作家・二宮健監督(30才)が映画化したもの。主演に永瀬、共演に池田エライザ(25才)、柄本佑(35才)らを据え、二宮監督らしいスタイリッシュな映像美と俳優たちの演技のかけ算により、驚きのクライマックスとともに儚く切ない物語に仕上がっている。

 物語のあらすじはこうだ。東京で一人暮らしをする大学生の“私”(永瀬廉)は、友人も恋人もおらず、目標も目的もない鬱屈とした日々を送っていた。そんなある日、「かくれんぼ同好会」というサークルで出会った不思議な魅力を放つ“先輩”と、不意に現れた謎の男・“黒服”の存在によって、彼の無気力な日常は一変する。“先輩”との距離は日に日に近づき、カリスマ的存在の“黒服”に導かれて悪戯に耽る魅惑的な毎日だ。ところが、“黒服”と彼に共鳴する者たちの言動が過激化し、やがて東京を破壊するという“真夜中乙女戦争”が始動。“私”は世間を騒がす事態に巻き込まれていく。

 この奇想天外な物語を推進させるのが、池田扮する“先輩”と柄本扮する“黒服”の存在だ。映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』や『映画 賭ケグルイ』でカリスマ的な人物を演じてきた池田が“先輩”をミステリアスに演じ、町医者から仮面ライダーまで多彩に演じ分ける柄本が危険なオーラを放つ“黒服”を怪しくも魅力的に演じている。“先輩”も“黒服”もどちらも掴みどころのない人物で、自己形成の途上にある未熟な“私”を翻弄。この両者に翻弄されていくさまを、主演の永瀬は見事に演じ上げているのだ。

 永瀬が演じる“私”とは、将来への不安と現状への不満を抱える若者。「すべてを壊したい」という願望はあるものの、かといって彼自身の主体性は薄く、ただネガティブなエネルギーに満ちているばかり。だからこそ彼は、“先輩”や“黒服”というどこか得体の知れない存在に引き寄せられ、翻弄されることにもなるのだ。物語序盤での永瀬の顔には表情という表情が終始見られず、声も抑揚を欠いている。諦念を抱き、日々を前向きに生きることのできない退廃的な若者の孤独を、永瀬は体現しているのだ。思考も言動も閉鎖的なため、ゆえに危険で脆い。成長過程にある若者の多くを象徴するようなキャラクターが印象的である。

関連記事

トピックス

狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン
たぬかな氏が明かす誹謗中傷の実態
「ネットの誹謗中傷は止まらない」 “170cm以下の男に人権ない”で炎上を経験…たぬかな氏が分析する加害者の特徴とその心理
NEWSポストセブン
たびたび人気メニューを生み出す牛丼チェーン店・松屋。今回の新作は”激辛四川料理”だ(松屋公式Xより)
「辛すぎて完食できない…」「あるまじき量の唐辛子」激辛好きの記者も驚き…牛丼チェーン・松屋の新メニュー『水煮牛肉』 本社が語った“オススメの食べ方”とは
NEWSポストセブン
ミャンマーとタイの国境沿いの様子(イメージ)
《「臓器売られる覚悟」「薬を盛られ意識が朦朧…」》タイ国境付近で“消える”日本人女性たち「森林で裸足のまま保護」
NEWSポストセブン
小室圭さん(左)と眞子さん(右)
小室眞子さんの“後見人”が明かすニューヨークでの生活と就活と挫折「小室さんは『なんでもいいから仕事を紹介してください』と言ってきた」
女性セブン
ビアンカ・センソリ(カニエのインスタグラムより)
《“ほぼ丸出し”ファッションに賛否》カニエ・ウェスト、誕生日を迎えた17歳年下妻の入浴動画を公開「彼なりの円満アピール」
NEWSポストセブン
販売されていない「謎の薬」を購入している「フェイク動画」(instagramより。画像は一部編集部にて加工しています)
「こんな薬、売ってないよ?」韓国人女性が国内薬局「謎の薬」を紹介する“フェイク広告動画”が拡散 スギ薬局は「取り扱ったことない」「厳正に対処する」と警告
NEWSポストセブン
教室内で恐ろしい事件が(左は現場となった法政大多摩キャンパス内にある建物、右は教室内の様子)
「女子学生の服が血に染まって…」「犯行直後に『こんにちは!』」法政大・韓国籍女子学生が“ハンマー暴行”で逮捕、学友が語った「戦慄の犯行現場」
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン
ドジャースでは多くの選手が出産休暇を取っている(USATodaySports_ReutersAFLO)
大谷翔平、第一子誕生へ 真美子夫人の出産は米屈指のセレブ病院か ミランダ・カーやヴィクトリア・ベッカムも利用、警備員増員などで“出産費用1億円超え”も
女性セブン