国際情報

プーチン氏、支持率約70%も危うい足元 露国内では中高年と若者の分断が顕著に

(写真/アフロ)

側近も国民もプーチン氏の暴走を止められない(写真/アフロ)

 3月14日、国際連合の事務総長は記者会見で、「かつては考えられなかった核戦争が、いまや起こりえる」と世界に警告し、「さらなる戦禍の拡大は全人類を脅かす」と続けた──。

 2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻は日々混迷の度を深める。ロシア軍は避難中の市民に発砲したり、学校や病院を破壊する暴挙に出ている。ロシア軍が制圧したヘルソン州では、「ヘルソン人民共和国」を設立するための「疑似住民投票」の準備が進められているという。東部の「ドネツク」「ルガンスク」両人民共和国と同様、親ロシア政権を樹立する狙いだろう。

 当然、ウクライナのゼレンスキー大統領(44才)は「ロシアがヘルソン州でまた偽の共和国をつくろうとしている」と批判を強めているが、ロシアの動きは止められない。暴挙の数々を指揮するのはプーチン大統領(69才)。その精神状態には多くの専門家が懸念を寄せる。軍事ジャーナリストの竹内修さんの解説。

「アメリカの情報機関は“プーチン氏の考え方は以前と比べ硬直している”と分析しています。少なくとも、2012年に日本から秋田犬をプレゼントされて笑顔だった彼とは人柄がガラリと変わっています」

 米政府から報告を受ける立場にある上院情報特別委員会のマルコ・ルビオ上院議員はツイッターでこう述べた。

「いま言えるのは誰もがわかる通り、プーチン氏は“何かがおかしい”ということだ」

 オバマ政権の駐露大使として何度もプーチン氏と懇談したマイケル・マクフォール氏は「いまのプーチン氏はいっそうタガが外れた状態になっている」と指摘。前国家情報長官のジム・クラッパー氏も米CNNのインタビューで、「プーチン氏はひどく動揺しており、彼の判断能力とバランス感覚が本当に心配だ」と危惧した。

 プーチン氏が切羽詰まっているのは間違いない。容易だと考えていた首都・キエフの陥落が思うようにいかず、SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除され、資金のやりとりは孤立。ロシアの通貨ルーブルは暴落した。

 経済制裁はさらに続き、アメリカはロシア産の原油などの輸入を禁止する措置を取ると発表。日米欧の先進7か国(G7)は関税を抑える優遇措置を適用する「最恵国待遇」の地位からロシアを外す方向で一致している。当然、市民生活は苦しくなり、ロシアの世論も変わる。元産経新聞モスクワ支局長で大和大学社会学部教授の佐々木正明さんが言う。

関連記事

トピックス

中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
水原一平の賭博スキャンダルを描くドラマが「実現間近」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」、注目される「日本での公開可能性」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン