プーチン氏の関与が疑われる“不審な死”の一覧
意識を失っていたのは、元二重スパイのロシア人男性セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさん。ノビチョクは旧ソ連時代に開発された神経剤で、VXガスの5~8倍の威力があるとされる。
「スクリパリ親子は一命を取り留めたものの、事件現場でノビチョクが仕込まれた香水瓶を拾った別の女性がそれを手首に振りかけたために1人が死亡して、ほか2人が重体となりました。それ以降の傾向として、反体制運動を行なう一般人などにも矛先が向けられています」(木村氏)
2018年9月には反体制的なロシアの女性ロックバンドの関係者が、2020年8月には反体制活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏がターゲットとなった。いずれも毒殺未遂に終わったが、命の危機に晒された。
現在、プーチン氏が狙うのは、ウクライナのゼレンスキー大統領だろう。すでに3回の暗殺が試みられたと報じられている。
「今後も、ゼレンスキー氏の拉致が企てられる可能性があるでしょう。カメラの前でロシアに有利な内容をしゃべれば生かし、拒否すれば殺すといった手段を取りかねない。そうした事態を防ぐため、アメリカや西側諸国が必死に守っているのです」(木村氏)
これ以上、犠牲者を増やしてはならない。
※週刊ポスト2022年4月1日号