プーチン氏の関与が疑われる“不審な死”の一覧
国外オリガルヒが動き出す
プーチン氏に不満を募らせるロシア人は少なくない。
「エリツィン政権時代に権力を振るっていたオリガルヒと言われる政商たちの中には、プーチンに冷遇されヨーロッパに亡命した人もいます。彼らがウクライナ側の戦闘員として傭兵を雇うことはできる。すでにウクライナでは傭兵が戦闘に参加していますが、そこにプーチンに締め出された亡命者の資金が流れているかもしれない」(菅原氏)
亡命者たちは、これまでにも国内の反プーチン派を支援してきた。
「例えば、2006年に毒殺された元FSBのアレクサンドル・リトビネンコは、ロンドンに亡命していた元オリガルヒの石油王ベルゾフスキーから資金援助を受け、ロシア国内で反プーチン活動を行なっていました。
結果的にはプーチンにより殺されたと言われていますが、自分と違う意見の人間なら毒殺も厭わないというプーチンの非道さを世界中に知らしめました」(菅原氏)
いきなりプーチン氏を失脚させることは難しくとも、少しずつロシア国内から“火の手”があがるようにしていくことが重要だと菅原氏は続ける。
「ロシア国内では情報統制が始まり、国民に正しい情報が伝わらなくなっている。反プーチン派がウクライナでの非道な行為の数々をロシア国民の知るところとすることで、『プーチンなんかじゃだめだ』という空気を醸成していくこと。これは情報戦でもあるのです」
そうして少しずつ独裁者を追い込んだとして、失脚の先には、どんな裁きが待ち受けているのか。
「過去の例を見ると、ゴルバチョフ政権では休暇中にクーデターが起き、いつ殺されてもおかしくない状況で3日間軟禁された。同じ時期にルーマニアでチャウシェスク政権がひっくり返った時は、大群衆の前で夫婦そろって射殺されました。プーチンの場合、すぐに射殺されるということは考えられない。まずは裁判にかけられることになるでしょう」(小川氏)
侵略の裁きを受ける日は来るのか。
※週刊ポスト2022年4月1日号