(写真/女性セブン写真部)

ドラマ『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)にも出演した西郷さん(左)。社長役もハマっていた(写真/女性セブン写真部)

 御三家とほぼ同時代に若者から支持を得て、1969年に『夕月』で映画デビューし、1970年代前半から『おれは男だ!』(日本テレビ系)をはじめとした青春テレビドラマで活躍した森田健作も、ファンとの関係性に変化を感じていた。

「当時はテレビに出るときに、『健ちゃん、あんな電気紙芝居に出ちゃダメだよ』と映画関係者に言われたこともあったし、俳優がファンと話すなんてもってのほかだという風潮もありました。

 しかし、テレビで歌手が活躍するようになり、全国でコンサートの機会を持つようになるとファンクラブを作ってファンを大事にする潮流が生まれました。映画会社は俳優がファンクラブを作ることを許しませんでしたが、ぼくは歌手が中心の事務所にいたので、全国にファンクラブの支部を作って交流することができました」(森田・以下同)

 ファンが殺到したのはコンサート会場だけではなかった。

「当時出演していたドラマは青春ものだったから、海岸沿いの撮影が多くて、交通の便もよくなかったはずなのに、たくさんのファンが毎日見学に来ていました。ぼくはわりと気軽に話していたし、最終バスがなくなったファンクラブの子をぼくの車に乗せて送っていったこともあります。

 後日、ほかのファンクラブの子からひんしゅくを買ったけれど、『じゃあ、その子を海岸にひとり残して帰るようなおれのことを、好きか?』と聞くと『森健らしい行動だと思う』と納得してくれた(笑い)。当時はファンと芸能人の心の距離がいまよりも近い時代だったように思えます」

 ファンとの交流を大切にしていたのは、西郷さんも同様だ。24年に及ぶ交流があり、ファンクラブの会報誌の編集も担当した放送作家の須田泰成さんが明かす。

「西郷さんは毎月、全国から届くたくさんの手紙のすべてに時間をかけて目を通し、介護や病気で大変だという内容には涙を浮かべていましたし、うれしい報告や楽しい内容はニコニコしながら読んでいた。そばで見ていて、とにかくファンに寄り添い、大切にしようという気持ちを強く感じました」(須田さん)

 その姿勢は舟木や橋も同じだ。舟木はコロナ禍でコンサートに行けないファンに向けて2020年にYouTubeを開設し、収録した過去のコンサート映像とともにメッセージを発信。橋も頻繁にファンクラブツアーや公演を開き、その回数は1年で160回にのぼることもあった。

※女性セブン2022年3月31日号

(写真/女性セブン写真部)

橋の歌う『子連れ狼』はドラマとともにお茶の間に浸透した(写真/女性セブン写真部)

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