厚労省が作成したパンフレット。子供に向けたページもあり、「ワクチン接種の有無で悪口を言ったりしないように」と注意喚起も
Bさんは全国的に感染者数が前週比で減少傾向が続いていることもあり、様子を見たいと考えていたが、夫と意見が衝突した。
「夫は持病こそないのですが、メタボで重症化リスクが高い。自分の接種もいちはやく予約していたので、娘の接種券が届いたときは『やっと来たか!』と、すぐさまスマホで予約しようとした。私はなんとかスマホを取り上げ、『ちょっと待って』とお願いするのが精一杯でした」
子供は感染しても重症化するリスクは低いとされているが、ゼロではない。京都府では、2月下旬に基礎疾患のない未就学児が、コロナに感染・発症したあとに死亡している(死因は不明とされている)。また、神奈川県では基礎疾患のある10歳未満の男児で死亡例が2例確認されている。
このニュースは夫婦間の意識を大きく変えたという。前出のAさんも、「京都のニュースはママ友の中でも話題で、接種させようと考える家庭が増えた印象があります」と話す。
都内在住のCさん(41歳・男性)は、心の内をこうさらけ出す。
「ふと冷蔵庫に貼ってあるカレンダーを見ると、長女(10歳)の名前と『14時半~1回目ワクチン』と書いてあった。妻が相談もなしに決めていたんですが、私は家庭内で何かと立場が弱い。なので、みんながいる場でやんわりと長女に『来週、ワクチン打つんだね』と聞いたら、妻がさえぎって『パパがどこでコロナをもらってくるか分からないから、打っておかないとねー』と私にではなく、長女に言うんです。
私は子供は打つ必要はないんじゃないかと思っているんですけど、人と会う仕事で感染リスクが高いので、何も言えませんでした。結局、妻には何も言えないまま長女の接種が終わりました」
※週刊ポスト2022年4月1日号