厳重注意となった川崎春花(写真/Getty Images)
LPGA(日本女子プロゴルフ協会)から発表された。小林浩美会長は「協会としてはこの件について終わりにしたいと思う」と終結宣言をしたが、本当に幕引きとできるのか不安を口にするツアー関係者もいる。
JLPGAでは懲罰諮問委員会と理事会を開いて処分を決定。川崎春花、小林夢果、阿部未悠の3選手には「厳重注意」とオフに開催される新人セミナー3日間の受講義務を課した。一方のプロキャディの栗永遼氏については9年間の国内女子ツアー、JLPGA関連のイベントへの立ち入り禁止を処分が科された。ゴルフ担当記者が言う。
「3人のプロは6段階の懲戒規定のうち最も軽い処分となったが、その背景にはスポンサーへの配慮があったとされます。仮にシーズンのうちの一定期間の出場停止などの処分にした場合、どの期間で処分を行なうかによって一部の大会スポンサーに迷惑をかけることになり、国内ツアー37試合のスポンサーを平等に扱うことができない。
栗永氏を事実上の“追放”の厳罰にしたのは、それにより選手を被害者に位置づけられるからでしょう。実際、協会は発表文で栗永氏の処分について『弊協会の会員の配偶者でありながら、弊協会の他の複数の若年の会員に対して積極的に働きかけたことにより引き起こされたこと、酌むべき事情が特にないことなどの諸事情を総合考慮したもの』と説明。協会は“個人のプライバシーに関わるので”と詳細を説明せず、3選手が積極的に引き起こしたことではないとみなす姿勢です」
不倫は双方に責任があるとする考え方もあるが、プロキャディの男性だけが厳罰という判断に至った背景には、様々な事情もありそうだ。ツアー関係者が言う。
「選手を厳しく処分する前例が作りにくかった面もあるでしょう。専属キャディと女子プロが絡む男女トラブルは過去にもありました。今回、選手も厳罰に処したとした場合、今後、本件に関係する別のケースも含めて不倫事案が出てきた時に、前例に準じて次々と選手を厳罰にしなければならない。そうして選手が欠けていけば、スポンサー離れが起きてツアーが成立しなくなってしまいかねない懸念があります」