アメリカ空軍の女性パイロットと別人女性を組み合わせた偽の情報が世界で拡散された
フェイクニュースの拡散には細心の注意が必要だ。桜美林大学リベラルアーツ学群教授の平和博さんが説明する。
「フェイクニュースは、SNSユーザーの恐怖や怒りといった気持ちを揺さぶって、広く拡散させようとします。うっかり共有すると、情報戦に加担してしまう恐れがあるし、内容によっては法的責任を問われることもあります。感情的になったら、いったんスマホを置いて、共有してもいい情報かどうかを考えてみましょう」
有事の際には、情報を見極め、判断する力が何よりも重要となる。これは、戦場にいる人々に限らず、スマホを持つ全員にかかわることだ。ロシア政治が専門の国際政治学者で筑波大学教授の中村逸郎さんが指摘する。
「SNSは即時性があって出来事の詳細を知るには適していますが、1つの投稿からは全体像を把握できないという弱点もあります。大切なのは少数の情報源に頼るのではなく、多様な意見に接すること。SNSだけでなく、新聞や雑誌、テレビにも目を向けることが大切です」
受信するだけのテレビやラジオと違って、SNSは私たち自身も発信することができる。「いいね」を押した瞬間から戦争の当事者となるかもしれない。危うさも理解した上で、自身の正義のためにスマホを掲げよう。
※女性セブン2022年4月7・14日号
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