(時事通信フォト)

白井一行球審に声をかける井口監督(時事通信フォト)

「白井氏は過去のインタビューで、『退場を宣告した回数は1、2を争うかも』と話したこともある“退場王”。2018年には、阪神のメッセンジャーが白井氏の判定にキレて暴言を吐いて退場となり、試合後に『判定が一貫していなかった』と怒りをぶちまけたこともあります。審判は時に威厳を示す必要があり、今回の件は“教育的指導”という見方もありますが、審判が目立つのを望んでいるファンはいない。説明を拒んだのもファンは置き去りですし、資質が問われます。

 それでも野球関係者が白井氏をフォローするのは、彼らにとって審判は“同じムラの仲間”だからでしょう。選手や監督は審判に嫌われたら終わりですし、OBはOBで“審判も同じ現場で戦った仲間”という感覚がある。また、『素人には口出しされたくない』という意識も働いているように見られます」(フリーの野球記者)

 別の野球記者は、審判が置かれた状況についてこう語る。

「審判はグラウンド内では“神様”ですが、2018年からリクエスト制度が導入され、選手が判定に不満があった場合、ビデオ判定を求めることが出来るようになりました。その結果、30%程度は判定が覆っており、誤審がかなりの確率で起きていることが分かってしまった。“神様”も間違えることが明らかになってしまったのです。

 昨年終盤、メジャーでホームラン王争いをしていた大谷翔平(エンゼルス)は、明らかなボール球をストライクと言われる場面が続き、指を振って露骨に不服そうな表情をしていました。それでも退場にはならなかったのは、誤審で大谷を退場にしたら、ロボット審判の導入議論が進んでしまうからです。メジャー傘下の3Aでは今季からロボット審判が導入されており、ゆくゆくはメジャーも採用するはず。白井球審の騒動は、審判の存在意義が問われる状況に対する焦りも根底にはあったのかもしれません」(別の野球記者)

 審判の存在も野球の醍醐味か、間違いのないロボットが良いか、本格的な議論をする時期に差し掛かっている。

(共同通信社)

捕手の松川がなだめる(共同通信社)

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