芸能

山下智久主演ドラマ『正直不動産』 「ウソばかりの営業マンに対抗できる材料に」

「嘘がつけなくなった不動産営業マン」を演じる(時事通信フォト)

「嘘がつけなくなった不動産営業マン」を演じる(時事通信フォト)

「敷金・礼金」に退去時の「原状回復」。顧客の「囲い込み」に「両手」仲介……。不動産業界独特のルールや慣習を表わす言葉は多い。売買にしろ賃貸にしろ、多額のお金が交わされるのが不動産ビジネスだが、その裏側はどうなっているのか──ドラマオタクのエッセイスト小林久乃氏は、それを垣間見せてくれる「山P」こと山下智久主演のNHKドラマ『正直不動産』に注目しているという。小林氏が綴る。

 * * *
 バラエティーに富んだジャンルが並ぶ、春ドラマ。痛快推理劇の『元彼の遺言状』(フジテレビ系列)、ベテラン揃いで演技の安定したラブコメ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系列)。韓国ドラマを彷彿させる、小林的には超絶好みの『やんごとなき一族』(フジテレビ系列)など。各局、春の改編祭りを超えた結果なのか、まさに寿司屋の「いいネタ揃っていますよ!」状態。

 そんなラインナップに“山下智久”という懐かしい名前があった。言わずもがな、日本のドラマ史上にありとあらゆる伝説を残したスターが、地上波に返り咲いたのである。彼が出演するのは『正直不動産』(NHK総合)。これがやはりというか、いかにもというか、面白い。

「嘘がつけなくなった」営業マンを好演

 マンガ原作もある『正直不動産』のあらすじはこうだ。──永瀬財也(山下)は登坂不動産のナンバワーワン営業マン……のはずだったのに、自らの手で壊してしまった祠(ほこら)のたたりによって、それまでのセールストークのように、ペラペラと流暢な嘘がつけなくなってしまう。永瀬の成績は瞬く間に急降下。ライバル社員の桐山貴久(市原隼人)が、トップセールスマンとなる。永瀬は元に戻ることができるのか。それとも元に戻ることは幸せなのか?

 タワマンに住み、女と客を転がして、嘘で無理固められた人生を送ってきた永瀬に起きた、突然の事件。真実しか口にできなくなった彼が、毎回物件を求める客に(社内的には)余計なことを言ってしまう。そこでキレる客もいれば、誠実な対応だと感謝してくれる客もいる。そんな一話完結型のドラマだ。

「このドラマ見たほうがいいよ〜」と、他人へつい言ってしまいそうになる理由は、不動産業界の裏話が物語にあるから。私たち、ユーザー側にとってヴェールに包まれていたような事実が毎回飛び出してくる。例えば売主と買主の間に存在する、あんこ業者。彼らの横流しする情報で、営業マンは客を口説く……いや客が騙されるのか……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン