芸能

歌手・安奈淳の「最初の晩餐」 衝撃的においしかった洋食店のマカロニグラタン

晩餐

ホワイトソースたっぷりのグラタンは安奈淳さんの子ども時代の記憶が蘇る逸品(撮影/鈴木江実子)

 幼い頃に戦中、戦後を過ごした人に、思い起こされる「人生最初のごちそう」。日本が決して豊かではなかった時代、“最初の晩餐”は何であったのか。当時のエピソードと ともに、思い出の料理を完全再現。“おいしい”の記憶と共によみがえる物語とは──。歌手・安奈淳さん(74才)に聞いた。

年に数回の外食は家族との大切な思い出

 安奈さんにとってのごちそうは、どれも子供の頃の楽しかった思い出とセットになっている。

「外食をするのは年に数回。家族とおしゃれをして出かける、一大イベントでした。その頃は、家での食事は和食がほとんどでしたから、お店で食べる洋食は初めてのものばかり。だから、記憶にも鮮明に残っていますね」(安奈さん・以下同)

 育ったのは大阪府箕面市。当時は近くにレストランがなかったため、外食をするときは家族で神戸まで出かけたという。

「神戸・元町に『ハイウェイ』という洋食屋さんがあって、家族でお正月に行きました。そこで初めてグラタンを食べたのが、9才か10才の頃。ホワイトソースを口にしたのも初めてだったので、そのおいしさに衝撃を受けました(笑い)」

 父親の正月休みに合わせて家族で神戸に出かけ、出会ったのが、ホワイトソースたっぷりのマカロニグラタン。年に数回のイベント、子供時代の外食の記憶が蘇る一品だ。

「いまでも人生で一番のごちそうだったと思います」

 家でのごちそうは、母が作ってくれる中華系スープのチャプスイ。安奈さんが妹と一緒によく母にねだった料理だ。

「大きな水餃子とセットで食卓に登場するの。母の得意な、とてもおいしいスープでしたね」

 アメリカで生まれた中華料理のチャプスイは、八宝菜に似た料理。安奈さんの家では、汁が多めの中華風スープにしていたそう。

「豚肉、にんじん、もやし、白菜、しいたけ、それに春雨が入っていてとにかく具だくさん。少しとろみがあっておいしいの」

 家族で宝塚歌劇を観た日に食べたきつねうどん、初めて食べたステーキ、ちょっと贅沢な日のすき焼き……。おいしいにまつわる幸せな記憶は止まらない。

【プロフィール】
安奈淳/1947年大阪府箕面市に生まれる。1965年宝塚歌劇団に入団。花組の主演男役となり、1975年『ベルサイユのばら』のオスカルを演じ、一世を風靡。1978年『風と共に去りぬ』で退団。2000年に膠原病を患うが、療養を経て、現在は歌手として活躍の場を広げている。

※女性セブン2022年5月12・19日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン