国内

ワクチン会場を襲って現行犯逮捕「神真都Q」“日本版Qアノン”の主張

ジャーナリスト・横田増生氏が「神真都Q」の実態に迫る

ジャーナリスト・横田増生氏が「神真都(やまと)Q」の実態に迫る(撮影/藤倉善郎)

 アメリカで生まれた陰謀論が、日本で過激な反ワクチン集団と化し、ついに警察沙汰に。いったい何が起きているのか。近刊『「トランプ信者」潜入一年』が話題を呼ぶジャーナリスト・横田増生氏がその実態に迫った。(文中敬称略)【前後編の前編】

 * * *
 私が神真都(やまと)Qを認識したのは4月上旬のこと。そのメンバーが、ワクチン接種が行なわれていた都内のクリニックに接種反対を掲げて押し入り、建造物侵入の現行犯で逮捕されたという新聞記事を読んだ時だ。

 神真都Qは、新型コロナウイルスは存在せず、ワクチンには毒性があり、日本の人口を削減するために悪用されている、と主張する。

 現行犯逮捕の模様について、全国紙の社会部の記者はこう話す。

「当日は、ワクチン接種会場となった病院に10人のメンバーが押しかけ、『治験が終わっていないワクチンを子供に接種するのは犯罪だ』、『ワクチンの成分を開示せよ』、『院長と話をさせろ』などと騒ぎたて、ワクチン反対のビラも病院内でまきました。それが午前9時すぎのこと。

 その後、警察が駆け付けたのが10時頃。それでも神真都Qのメンバーは病院から出て行かず、押し問答になり11時前後に4人が現行犯で逮捕されました。その後に、神真都Qの本部や首謀者の自宅に家宅捜索が入り、関係書類やパソコン、スマホなどが押収されています」

 神真都Qの連帯を呼びかける投稿がネット上で出回り始めたのが昨年の秋頃で、それが今年に入り東京や静岡、大阪や福岡などで反ワクチンを掲げてデモを行なうようになり世間の注目を集めた。

 神真都Qは逮捕される以前から、東京ドームや早稲田近辺のワクチン接種会場などでも同様の騒ぎを起こし、予防接種が一時中断に追い込まれる事態となっており、その頃から警視庁公安部がマークしていた。今回の逮捕は、公安部でもカルトや新興宗教団体を扱う公安総務課が指揮を執った。1990年代にオウム真理教の事件を捜査したのも、この公安総務課だった。

 事件後も神真都Qにとどまるメンバーの1人 はこう話す。

「コロナのワクチンを接種した直後に1600人以上が亡くなっている。厚労省はワクチンと死亡に因果関係がないと主張しているが、それはウソだ。コロナウイルスが存在するのかも証明されていないのに、そのワクチンを打って人が死ぬなんて本末転倒もいいところだ。病院での逮捕は不当逮捕で、断固として反対する。相手が公安部であっても、警察自体が『ディープ・ステイト(闇の勢力を指す)』の一員なので怖くはない」

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン