芸能

声優・木島隆一、声優から逃げだそうとした過去と「もう一度マイク前に立ちたいと涙した瞬間」

(写真/五十嵐美弥)

「ヒプノシスマイク」伊弉冉役で出演した声優・木島隆一(写真/五十嵐美弥)

 国民的アニメ『NARUTO』の次世代の活躍を描く『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のミツキ役や男性声優によるキャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の伊弉冉一二三(いざなみ・ひふみ)などで活躍する木島隆一(37)。

 少年や年齢を重ねた役、甘さのある役やミステリアスな役などベクトルの大幅に違うキャラクターを演じ分け、声色の変化の引き出しの多さが彼の魅力だ。彼の人となりを感じられる冠番組、ニコニコ生放送『木島隆一のこのブタ野郎』は6月で3周年を迎える。

 声優として12年というキャリアを築いてきた木島。今の自分があるのは、声優として挫折しそうになった瞬間と深く繋がっているように感じると木島は語る。

「声優として活動し始めて5年目くらいの頃、本気で声優を辞めようと思ったんです。当時はアルバイトをしつつも、それなりに声優としてのお仕事もあり、生活もできていた。業界の中では十分恵まれたスタートを切れていたように思います。それなのにふと“このまま続けていっていいのかな”と思ってしまったんです。

 一度そう考えだすと止まらなくなり、当時の社長に“辞めたいです”と伝えました。その時のシーンは今でもすごく鮮明に覚えています。社長からの“この場にくるまで何年積み上げてきたんだ”という質問に、声優になると決めてからの10年という時間の重みも感じました。ただ、その10年というキャリアを考えても、そのときの私は声優を続けるという気持ちになれなかったんです」

 現在は声優としてアニメなどに出演するだけではなく朗読劇にも定期的に出演するなど、活動の幅を広げている。コンテンツのイベントが開催されれば、ファンからの多くの声援を浴びる。しかし、もしかしたら今のような未来は無かったのかもしれないというのだ。

「そんな私に社長は、養成所の講師を担当しないかと提案しました。結果的にこの機会があったからこそ、木島隆一は声優という世界に戻ってこられた。養成所を担当したものの、実際は3か月も続きませんでした。“声優になりたい!”という思いをもって授業に出ている真剣な目、頑張ろうとする姿勢、全てがキラキラして見えて圧倒されました。目の前の生徒さんたちの一生懸命な気持ちを羨ましいと感じる自分と、目の前の生徒さんたちが憧れている声優としての仕事をもらえているのに、自分はいったいなにをしているんだと恥ずかしくもなりました。

 そして、泣きながら社長に“もう一度マイク前に立ちたい”と謝りに行ったんです。しかし、すんなりと許してはくれなかった。当たり前ですよね。社長たちも本気で私たちに向き合ってくれていて、当時の私は中途半端すぎたんです。でも、結果的にまた私に声優としての居場所を作ってくれました。その直後に受けたオーディションが初めて主役として選んでもらえた『ゴッドイーター』だったんです」

 役に選ばれるためのオーディションは狭き門。ひとつの役に200人以上受けることもざらにあるという。挫折しそうになり、回り道もした木島が掴んだ主役という大きなチャンスだった。

関連記事

トピックス

『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
元乃木坂46の伊藤万理華の演技に注目が集まっている(公式HPより)
《難役が高評価》異例のNHK総合W出演、なぜ元乃木坂・伊藤万理華は重用されるのか 将来的には朝ドラ起用の可能性も
NEWSポストセブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン