「制限をしなくても、毎日フィットネスを続けるうちに、自然と体にいいものを選べるようになったという人がほとんどです。例えばおやつのクッキーを半分にしてその分ナッツを食べるなど、無理なく食生活を改善できる。
体重も同様で、数値に一喜一憂するような状況はエクササイズへのモチベーションを下げる原因になりますし、たとえ3kgやせたとしても、筋肉が落ちたメリハリのない体形は理想的ではありません。そのため、gloのプログラムでは体重計に乗らないことを推奨しています。実際私も、以前よりも引き締まった体を手に入れましたが、筋肉が増えたことで体重は4kg増えています」
1日3分、1か月でメリハリボディーが手に入るならば、やらない手はないだろう。
「最初に取り組むべきは、全身を使って脂肪を燃焼させつつ骨盤まわりやお尻を鍛える『SUMOスクワット』とつま先立ちで美しい姿勢と美脚を作る『リーチ&プル』の2種類がおすすめです。運動が苦手な人は1日1メニューでもOK。時間帯も自由ですが、朝行うことで全身の血流がよくなり、一日中代謝の高い状態がキープされてやせやすい体になります」
エクササイズとともに取り組みたいのは「なぜスリムな体になりたいのか」を自身に問いかけ続けること。
「Google社やApple社のエグゼクティブたちの共通点は、10年後、20年後のビジョンを見据えながら、なぜいまこれをするのかという“why?”が明確なこと。目標を設定する『エンパワーメントシート』を活用して、ボディーメイクをしたい理由を明確にすると、モチベーションを維持することができます」
ただし、「昔のジーンズがはけるように」とか「3kg減」といった“過去”や“体重”に執着する内容を書き込むのは逆効果。
「体形も洋服も、その年齢にふさわしいぴったりのものがある。昔の自分にとらわれず、いま憧れている芸能人や、理想とする健康状態を思い描き、書き出すことから始めてみてください」
今年の夏はアップデートされた体で過ごしたい!
SUMOスクワット
【1】足を広めに開き、つま先は外に向けて立つ。腕は体の前で下ろす
【2】息を吐きながら、お尻を後ろに突き出すようにしてひざを曲げ、上体を前に倒
【3】息を吸いながらひざを伸ばし、両腕を上げる。段ボール箱を掴んで持ち上げるイメージで、肩甲骨を動かすように意識すると◎。【2】、【3】を10回繰り返す。
【4】両腕を上げ、できるだけひざを落として、上下に小刻みにお尻を動かす。この動きを20回行う。
【5】できるだけ低い位置までお尻を落としたらかかとを上げ、両手を胸の前で合わせて10秒キープする。
【6】ひざを曲げたままかかとを床に下ろし、両手は太ももの上へ。左手で左脚を外に押し出すように腰を右にひねり、左の内ももの伸びを感じながら20秒キープ。反対側も同様に行う。
【7】かかとをつけたまま足先をV字に開き、脚のつけ根から少し外側に向けることを意識して立つ。
【8】息を吸いながら両腕を上げると同時にかかとも高く上げる。このとき、足の親指を床に押し付けるようにしてバランスをとる。
【9】息を吐きながら、ひじを寄せるようにして腕を下げ、かかとも一緒にゆっくりと下ろす。【8】、【9】を10回繰り返す。
【10】かかとを上下させながらひじを寄せる。肩甲骨もしっかり寄っていることを意識し、お腹とお尻にも力を入れて20回行う。
かかとと両腕を同時に上げる。足の親指を床に押し付け、体重が小指側に流れないように意識しながら10秒キープ。肩の力を抜いてあごは軽く引き、首は長く伸ばす。
【12】脚をクロスさせ、手首を優しくつかみ、体の側面を伸ばす。左右各10秒行う。
【プロフィール】
Sayaさん/アメリカ・シリコンバレーを拠点に、Google本社のエグゼクティブトレーナーとして活動し、Apple、テスラなど最先端企業をクライアントに持つフィットネストレーナー。現在、日本に一時帰国し、企業や一般の人向けにgloの指導を行う。7月にメソッドをまとめた書籍『globodyフィットネス』(講談社)を上梓予定。
撮影/岩谷優一(vale.)
※女性セブン2022年6月9日号