今年5月、参院選栃木選挙区に日本維新の会が擁立した新人女性候補について「顔で選んでくれれば1番を取るのは決まっている」と発言し、炎上した同党の国会議員団両院議員総会長である石井章・参議院議員。その石井氏が、今度は差別を助長するような問題発言をしていたことがわかった。6月20日発売の週刊ポストが報じる。
発言があったのは6月5日、千葉県柏市の柏駅前で行なわれた日本維新の会の街頭演説でのことだった。千葉選挙区から出馬予定の新人候補、佐野正人・現習志野市議会議員に続いて登壇した石井氏は、維新の会による教育改革の成果をアピールする中で、元代表の橋下徹氏について触れた。そこで石井氏は、橋下氏の出身地について「差別を受ける地区」だったと言及し、その学習環境や両親の仕事などについても語った。
前後の文脈から考えれば橋下氏の立身出世を強調する意図の発言だったが、維新関係者の中では「問題発言ではないか」と不安の声が広がった。石井発言は差別を助長する内容であることからここでは詳細には触れないが、事実誤認も含まれており、事実認識の甘さとともに街頭演説という公の場でふさわしくないものであると考えられる。発言の詳細について本誌・週刊ポストが部落解放同盟に聞くと、問題のある内容であるとの指摘があった。
「予断と偏見で出身地について話しており、差別を助長する内容となっています。仮に橋下さんが了承していたとしても、許される内容ではない差別発言と考えます」(部落解放同盟中央本部)
橋下氏に、演説での石井発言の詳細を伝えた上で見解を聞くと、事務所の担当者を通じて「この演説については把握しておりませんでした」とした上で、「僕を評価してくれようとする文脈なのでしょうが、内容には事実誤認も多く、また差別的な表現もあります。表現には十分気を付けていただきたいと思います」との回答があった。