ライフ

温暖化の食への影響「埼玉でマンゴー栽培」「海水温上昇でトビウオ漁獲量増」の未来も

「気温50℃超え」への心配も(時事通信フォト)

気温上昇が今後も続くなら「食」にも変化が(時事通信フォト)

 夏本番を前に、異例の暑さが日本列島を襲っている。温暖化などの影響で世界的な気温上昇が続くなか、日本の場合はヒートアイランドによる都市熱上昇など気温を上げる要素が複数あるという。専門家は将来的に「50℃を超えるエリアが出てくる」可能性についても指摘している。

 そうした状況におかれると「食」に大きな影響が及ぶ。既に近年の気温上昇に伴い、農作物の産地は「北上」が進んでいる。

 たとえば南国生まれのマンゴーは、今では埼玉県や茨城県でも栽培される。環境ジャーナリストの富永秀一氏が語る。

「今のところは栽培地域が北へも広がっている程度の話で済んでいますが、このまま気温が上がったり急上昇したりすれば、果樹などをはじめとする園芸作物の栽培地域が北上するスピードが追いつきません。

 多くの作物で生育の遅れや発芽不良、害虫の発生などの『高温障害』が起こり、収穫に大きく影響するでしょう」

 大豆やホウレンソウは「高温障害」が起きやすい作物として知られており、気温が高いと苗がしおれるなどの弊害が起きる。食料自給率が低い日本にとっては深刻な問題となりそうだ。

 一方、日本人の主食であるコメにはプラス面とマイナス面が予測できる。

「かつて北海道などの寒い地域はコメの栽培に適していなかったですが、気温上昇によって今や有数の産地となっています。

 稲は高温だと食味を下げるアミロースの含量が少なくなる。そのためこれまで気温が低くて稲作に不向きだった地域のコメが、日本人が好きな粘り強い食感になる可能性はあります。ただし暑すぎると未熟な米粒や害虫被害も増えるので、栽培地域が限定されるようになるでしょう」(富永氏)

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン