偽薬によって断薬が成功した例
薬の効能や副作用に関する情報を集めることも忘れてはいけない。
「いまはインターネットで検索すれば、薬の説明書や添付文書を簡単に見ることができます。わかりやすいのは『日経メディカル』のサイト。文字も大きく、副作用をチェックできる。薬の名前と『日経メディカル』を検索サイトのキーワードに入力して調べてみてください。自分で新しい情報にあたろうとすることが大切です」(松田さん)
情報収集が本人の負担になるのであれば、家族が代行することも必要だ。在宅医療で減薬に取り組む、たかせクリニック理事長の高瀬義昌さんは「家族は、最新情報をキャッチしながら対応していくという気持ちを持ってほしい」と主張する。
「地域によっては、高齢者の減薬に取り組む家族に向けた勉強会が開かれているので、参加してみるのもいい。減薬を積極的に行う病院や薬局を探すことも大事です。
人間はある年齢を超えると、正しい情報に追いつけなくなってくる。実際に、『家族に減薬について話しても、理解してもらえない』と相談を受けることも少なくない。そんなときは一方的に正論を押しつけるのではなく、人生の先輩としてリスペクトを忘れずに。昔話などをしてコミュニケーションを取りながら伝える方法をアドバイスしています」(高瀬さん)
体のためにのんだその1粒を毒に変えないように、まずは処方箋から見直してみたい。
※女性セブン2022年7月21日号