様々な糖尿病モデルマウスに対する実験では治療効果、安全性、3週間以上の耐久性などを実証し、血糖抑制効果を確認。その後、モデルラットの実験でも同様に週規模の効果が確認され、血糖値の日内変動にも対応可能であることが確認された。
「ヒトに対しては、より低侵襲性が求められるので、マイクロニードル技術によるデバイス開発を始めています。マイクロニードルとは長さ1ミリメートル以下の文字通り微小な針のこと。それこそ蚊に刺されても痛くはないですが、蚊の体液が体内に入ることにより痒くなります。このように皮膚に刺しても痛みを感じることなく体内に薬液を注入できるため、ゲルをマイクロニードルにしています。マイクロニードルは表面積が大きく、必要量のインスリンの注入が可能です」(松元研究准教授)
日本のメーカーと共同で、2年後にはプロトタイプによる安全性と有効性の確認試験を実施予定だ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年7月29日号