有利な要素を探して力強く言い張るのは、罪をなるべく小さく見せるセオリーのひとつ。不倫がバレた際に「愛情はなかったんだ」と言い張る人は、きっと多いでしょう。そして証拠を突き付けられても、あくまでとぼければ活路が見いだせるかもしれません。馳知事の言い訳も、いわばこのパターンです。

「名前を貸しただけ」と言い訳している政治家も、何人かいました。ただ、それが通用するならと早とちりして、妻に「〇〇を貸しただけ」と言い訳したら、火に油を注ぐどころの騒ぎではなくなるでしょう。あなたが女性で、夫に不倫がバレた場合も同様です。

茂木敏充・幹事長(時事通信フォト)

茂木敏充・自民党幹事長(時事通信フォト)

 部下がライバル会社との不都合な情報交換や、取引き業者との不都合な商慣習といった「つながり」を持っていたことがわかった場合は、どうすればいいか。上司であるあなたが、社長に「どういうことだ」と説明を求められた際には、自民党の茂木敏充幹事長の言い訳を参考にしましょう。茂木氏は会見で、あの宗教団体と自民党との関係を問われた際にこう答えました。

「自民党として組織的関係がないこと、すでにしっかりと確認をしている。個々の議員についても、社会的に問題が指摘されている団体との関係は、国会議員としての立場を踏まえ、厳正かつ慎重であるべきと、さらに注意を促していきたい」

 これにならうと「部署として組織的関係がないことはしっかりと確認しております」と、まずは個人的な問題であることを強調します。さらに「当社の社員であることを踏まえ、さらに注意を促していきたいと思っております」と、何の具体性もないけどいちおう対策を取っているかのようなフリをしておきましょう。

 ただ、政治家の記者会見では通用しても、こんなぬるい言い訳で納得する社長はきっといません。さっきの不倫の言い訳も同じですが、政治家の言い訳を参考にすると、なおさら話がこじれたり心の底から愛想を尽かされたりしそうです。反面教師にはなってくれそうですけど、実際に参考にするのはやめておきましょう。

 もしかしたら、こうした「政治家だから通用する言い訳」が存在し、それが何となく通用してしまうことこそが、今の日本におけるもっとも深刻な問題点かもしれません。

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