FX投資話の登場人物と関係性
「騒動が大きくなるにつれ、事実とかけ離れたことや、関係のない方の名前まで報じられてしまい、この現状をそのままにしておくわけにはいかないと思うようになりました。一刻も早く経緯をお伝えするために、以前から今回のことで声をかけていただいていた記者の方にお願いして、このような説明の場を設けていただくことにしました」
実は、女性セブンは1年近く前から木本の金銭トラブルについての取材を進めており、騒動が発覚する前には、本人に取材を申し込んでいた。「必ずインタビューに応じる」と言っていた木本から「状況が整いつつある」という連絡があったのは、事務所退所後しばらく経ってからのことである。
この日、木本は女性セブンの取材に応じ、所属事務所も把握しきれなかった投資トラブルの全容を5時間以上にわたって説明し、自らの責任問題と今後の覚悟について打ち明けた──。
複数人の芸能人が関与し複雑な経緯をたどった巨額の投資トラブル。キーマンは、すでに報じられているように20代の自称FXトレーダーA氏と、不動産投資の名目で資金を集めた元芸能関係者のB氏だ。
二人はかねてから木本と面識がある人物で、木本から投資話を聞いた複数の関係者が彼らに多額の金を“投資”。大半が露と消えた。A氏、B氏ともに金融商品取引法(金商法)で義務付けられている登録をしていない「無登録業者」だったことが後に発覚。後述するが、運用の実態すらなかった疑惑も生まれている。
トータルの損失額を「7億円以上」とする報道もあるが、木本によればA氏とB氏に渡った総額は「6億円強」。一部は返金されたものの、いまだ3億円以上が“使途不明”のままになっているという。
今回の騒動で多くの人が気になっているのが、木本の立場だ。
「僕自身が多くの方を巻き込んで、ご迷惑をおかけしてしまったことは間違いありません。しかし、僕が誰かを騙そうとしたことは一切ないですし、手数料や紹介料を受け取ったり、利益の分け前をもらったこともありません。
投資に興味のある仲間が集まって『みんなで得しようや』、『稼ごうや』と言う話の中で、僕が持ってきた話が、運用の実態も不明なままになってしまったのが実情です。声をかけたのは、あくまでも投資に興味がある仲間。無理やり勧誘したこともないですし、決して興味がない人の肩を叩いて、『これやらへんか?』と誘ったこともありません。当然ですが、元本保証も謳っていません。ただ、繰り返しになりますが、みんなを誘ったのは僕ですし、そこには重大な責任があると感じています」
これまでの報道で、投資仲間として野性爆弾のくっきー(46)や平野ノラ(43)、松竹の後輩に当たるみなみかわ(39)など複数の芸人の名前が上がっている。金額は1人当たり数十万円から数千万円とバラつきがあり、最も大きい損失を出したのは数千万円を失ったと言われる平成ノブシコブシの吉村崇(42)だ。本人も「持っていた仮想通貨をフルベットで入れちゃった」と騒動への関与を認めている。
「これ以上迷惑をかけるわけにもいかず、僕の口から個人名を出せないことはご理解ください。まず、FXの話に関わったのは僕以外に9人います。芸能人だけでなく一般の方もいます。実は今年に入ってから、FXの損失については一旦解決しているんです。参加したほとんどが僕を含めて投資の素人で、中には書面すら交わしていない人もいました。Aを連れてきた責任として、みんなの損失を補填するのが筋だと思い、自分の車や時計、靴、衣類などお金になりそうなものはほとんど売りました。家族や親戚にも頭を下げてお金を借りて、それでも足りない分は、ある方からお借りしたんです。こんな僕にも援助を申し出てくれる人がいて、その方のおかげで、みんなにお金を戻すことができました」
FXの運用資金として木本を含めた10人からA氏に渡った額は1億円以上だという。投資は基本的にリスクを判断した上で自己責任で行うもの。A氏を紹介したとはいえ、マージンを取らなかった木本が、なぜ損失を全額補填しなければならなかったのか。