大手チェーン店の名前を冠していても、その運営は地方の中小企業で衛生管理もその中小企業次第ということも(イメージ)
筆者の知人にも地方の地主で飲食はもちろんリカーショップやゴルフショップ、釣具屋など多角的に経営している人がいる。それぞれの看板は全国放送のCMも打っているような上場企業の名前だが実態は地場の中小企業である。今回は飲食が本旨だが、例えとして挙げるなら車のディーラーや携帯電話ショップだろう。こちらも超大手の名前だが、勤めているスタッフはおおよそ加盟企業の社員である。
「本体が大手でも、加盟店は看板だけ大手で実際は中小企業ですから、それこそ経営者次第という感じです」
あくまでケースバイケースだが、フランチャイズ経営は本部の指導があるとはいえ独立した企業である。日常の人間関係や待遇の一部などはその会社次第、その社長次第となる。
「とくに外食チェーンのフランチャイズはピンキリですね、事件になったこともあります」
事件報道、筆者も記憶にあるが暴言や暴力はもちろん、正当な給料を支払わないなどのあり得ない実態が定期的に報じられている。ただ難しいのは、その大手チェーン店の名前は誰にも知られているが、フランチャイズ企業の○○商事や○○興産(○○の中はたいてい社長の名字とか、ごく狭い範囲の地名)は言い方が難しいが全国的な知名度は低いため、どうしても大手チェーンの名前が出てしまう。大手チェーンの本部にすれば加盟する企業の問題、他の問題のない加盟店からすれば風評被害で同じにされていい迷惑、といったところだが、消費者側からすれば「管理責任」および「連帯責任」となる。
「フランチャイズオーナーが酷いと本当に地獄です。また本部や地区が酷いとこれまた最悪なことになる。社員もバイトも荒れますし、飲食だったら店の態度や衛生状態とか露骨に現れます。見る人が見ればわかりますよ。とくにバイトでわかりますね」
かつて「バイトテロ」と呼ばれる、店舗に迷惑をかけるような行為をバイトたちが面白おかしくSNSに晒す行動が問題となった。アイスの冷蔵庫に入る、醤油差しを鼻に入れる、商品であるピザの生地を顔に張るなどの常識ではありえない行為をネットに上げる連中は「バカッター」とも呼ばれた。
「もちろんやった連中の問題もありますけど、そうした店舗は労務上の問題を抱えていることが多いです。ただ、今回はそういう愉快犯でなく、明確にSNSを使っての告発ですよね。バイトテロとか、バカッターとは違う感じです」